先延ばしによってものごとが片付かないというのは、人類の永遠の悩みなのではないかとさえ思えてくる。本書は「先延ばしの歴史」から始まるのだから、なおさらだ。先延ばしをなんとかする方法に関する本はたくさん出版されている。本書もその中の1冊ではあるが、「自分の人生は終わった」と感じた命の危機を脱してからは、やりたいことを全てやって死にたいと先延ばしを克服した著者が書いているもので、説得力がある。
最新の研究や情報をわかりやすくまとめて、具体的な先延ばし対策として提供してくれるので、自分に最適な先延ばし対策をさまざまな角度から検討したいという人にはこの1冊が救世主になってくれるだろう。ただ、本格的な翻訳書でもあるために、少々専門的すぎると感じられる箇所もあり、読みやすいビジネス書に慣れてしまっていると、若干とっつきにくさを感じるかもしれない。
本書では、先延ばしの悪循環に陥ってしまうことを「ハムスター状態に陥る」と表している。同じところをぐるぐる回っていることの例えだが、この感じに心当たりがある人は、ハムスター状態をいかにして克服するか、その対策にも出会える。ハムスターを飼っている筆者としては、悪い例としてハムスターが引き合いに出されるのには納得がいかないが(笑)。
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