ディー・エヌ・エー(DeNA)は12月5日、次世代タクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の東京都内でのサービス開始にともない、新たな移動体験を実現する取り組み「PROJECT MOV」を発表。その第1弾として、乗車料金が無料になる「0円タクシー」の走行を開始した。まずは、都内で50台のタクシーから開始する。
同社は、4月から神奈川県でMOVの前身となるタクシー配車アプリ「タクベル」を提供。今回の全国展開を機にタクシー業界に新しい風をおこし、タクシー事業者とともに進化や新しさを発信するために、「ちょっと先の未来(新しさ)」+「移動」を感じてもらえるコンセプトとして、12月5日にサービス名称をMOVに変更した。
同日の記者説明会では、DeNA執行役員 オートモーティブ事業本部長の中島宏氏が登壇。他社の配車アプリは、ユーザーの入り口のみをアプリ化し、実際には電話による既存配車システムを利用しているのに対し、タクベルは既存配車システムと並列可動ができる点が強みだと説明。また、AIを活用した探客スキル向上システムなども独自に開発しているとアピールした。
今回、新たな移動体験創出プロジェクトであるPROJECT MOVの第1弾として提供を開始した0円タクシーは、契約スポンサーとMOVの広告宣伝費によって、乗客の利用料金を無料にするサービス。スポンサーは配車できるタクシーの車体ラッピングや、車内での自社商品・サービスの宣伝を通じて、認知獲得や購買に繋げられるとしている。
乗客は無料でタクシーに乗れるだけでなく、スポンサーの新商品や新サービスをいち早く体験できるというメリットがある。一方のタクシー事業者も、新規ユーザーの獲得や、スポンサーからの新たな収益モデルの構築につながると同社では説明する。
初回のスポンサーは、日清食品の「日清のどん兵衛」で、車内に専用のラッピングと内装を施す。また、車内の専用タブレットにプロモーション動画を流すという。ユーザーがMOVアプリを起動すると、周辺を空車で走行中の「0円タクシー」のアイコンが表示され、タクシー会社選択画面から「0円タクシー by 日清のどん兵衛」を選ぶことで利用できる。
日清食品による0円タクシーの提供期間は12月5日〜31日(7〜22時)。配車可能エリアは、渋谷区、新宿区、港区、中央区、千代田区付近。運行可能エリアは東京23区全域となる。また、12月26〜31日までの期間限定で、乗客は「日清のどん兵衛 天ぷらそば」がもらえるという。同社では、日清食品に続く第2、第3のスポンサーとも取り組みを進めていきたいとしている。
なお、0円タクシーの乗車体験レポートはこちらで紹介している。
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