iPhoneの生産は縮小か、プライバシー問題とAI--Appleニュース一気読み

 11月20日~11月26日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

 2018年11月は、Appleのみならず、テクノロジー企業の株価が総崩れとなった。2018年の上昇のほとんどを、この1カ月で帳消しにするだけの下落幅で、AppleやAmazonは高値から25%、Facebookに至っては半分近くの株価が失われた。

 きっかけとなっていたのが、Appleが2018年第4四半期決算発表で示した、ホリデーシーズンの売上高の弱気な予測と、今後iPhoneやiPad、Macの販売台数を四半期ごとに公表しないことだった。投資家には、これ以上、販売台数がポジティブな数字を示せない、と解釈されても仕方なかった。

 これらのニュースとともに、Appleのサプライヤーの情報から、iPhoneの生産が縮小されるとの見方が支持されるようになった点も、Apple株の下落に拍車をかけている。これまで、組み立てを担当するFoconnがiPhone XRの生産ラインを25%カットや生産がピークになるはずの時期の残業時間短縮、Face IDの主要パーツを供給するLumentumの「主要顧客の1社による大幅な発注減少」、ジャパンディスプレイが「大口顧客からの注文減少」による利益予想の引き下げ、といったニュースによって、iPhoneの販売の低迷をAppleが予測しているとの見立てが強まってきた。

 1年前を振り返ると、こうしたサプライヤーの情報からiPhone Xの不振が伝えられてきたが、結果としてiPhone Xは成功を収め、2018年は各四半期ごとに売上高の2桁成長を重ねてきた。そのため今年も、こうしたサプライヤーの情報だけを鵜呑みにすることは早計といえる。

 しかし、先述のように、Apple自身も繁忙期のホリデーシーズンを含む2019年第1四半期決算の成長に疑問を投げかけるガイダンスを示しており、iPhone主導の成長から次のフェイズへの移行が求めるタイミングになってきたと考えられる。

アップル、新型「iPhone」全3機種の生産注文を縮小か(11/20)

プライバシーとAI

 プライバシー問題は、2018年のテクノロジー業界の大きなトピックとなった。5月に欧州で一般データ保護規則(GDPR)が施行となり、すでにそうした規制をかけている日本をはじめとする諸外国の間での連携が取られるようになった。米国でも、連邦議会でプライバシー保護への取り組みが進んでおり、Appleは熱心にこの規制に対して支持を行なっている。

 Tim Cook CEOはこの問題に対しての発言を繰り返している。欧州のカンファレンスに出席して考え方を示したほか、直近でも、米国時間11月17日夜にHBOで放送されたAxiosとのインタビューで、規制は一般的には好きではないとしながらも、避けられないとの考え方を示した。

 AppleはAmazonやGoogle、Facebookとは異なる考え方で個人のデータの管理やAIの開発を進めている。Appleはすべてのデータを持つ必要はない、という前提が他者との違いだ。このことは、その人に対して学習できるデータが限られることから、AI開発のスピードが加速しない弊害がある。

 その一方で、Appleは「エッジ」あるいは「デバイス内」でのAI活用を強化している。Siriはユーザーが端末に保存しているデータやその使い方を都度学び、オススメのアプリの機能を提示したり、繰り返し行う作業を簡略化する「ショートカット」機能を提供したりしている。隣の人のiPhoneとは異なる学習を、端末内で進めている、ということだ。

 2018年にSilk Labsを買収した理由も納得できる。Silk LabsはMozillaのスマートフォン向けOSに従事していた3名によって設立されたスタートアップで、当初スマートホームデバイスの開発を行っていたが、これを中止し、デバイス内で処理をするAIソフトウェアの開発に取り組んできた。クラウドを介さず学習するこのソフトウェアのコンセプトは、Appleの取り組みと合致する。

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その他

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