若年層がメインユーザーのスマートフォンアンケートアプリを運営するテスティーと、CNET Japanが共同で現代の若者たちの実態に迫る同連載。
第13回目は中高大生の男女979名(中学生:310名、高校生:345名、大学生324名)を対象に、「英語学習」に関する調査を実施した。また、中高大生の男女191名(中学生:51名、高校生:70名、大学生70名)から「英語学習アプリ」のアイコンを置いている画面のスクリーンショット画像を収集。傾向を分析し、アプリを利用した英語学習に対する若年層の意識を解明していく。アンケート調査期間は2018年10月29〜31日。
まず初めに、中高大生の男女979名を対象に語学に関して調査を実施した。日常会話程度の語学力があると役立つと思う言語を尋ねたところ、「英語」と回答した人が最も多く、中高大生いずれも約9割となった。「中国語」と回答した人は中学生で32.9%、高校生で40.6%、大学生で59.6%となり、年齢が上がるにつれて中国語の必要性を感じている人が増えることがわかった。
続いて、中高大生が日常会話として最も需要があると考えている「英語」について、深掘り調査した結果を紹介していく。英語は将来の役に立つと思うかを尋ねたところ、「とてもそう思う・ややそう思う」と回答した人は中高大生いずれも8割を超え、若年層が英語の習得は将来のために役立つと考えている様子が伺えた。
また、学校の授業のみで英語を習得できると思うか尋ねたところ「とてもそう思う・ややそう思う」と回答した人は中学生で51.7%、高校生で41.2%、大学生で28.1%となった。大学生の約半数は「あまりそう思わない・全くそう思わない」と回答し、学校の授業のみで英語を習得するのは難しいと考えていることがわかった。
そこで、授業にどんな工夫があればもっと英語を習得できると思いますか?と尋ねたところ、以下の回答が得られた。
日常的に使われている会話表現を学ぶことや、ALT(AssistantLanguageTeacher。英語を母語とする外国語指導助手)と実際に会話をする機会を作ること、映像などを利用して身近に感じる工夫をすることなど、アクティブラーニングの要素を授業に取り入れることが英語の習得につながるという声が挙がった。
次に、学校の授業以外で英語学習に取り組んでいるかについて調査した。その結果、「(英語学習を)している」と回答した人は、中学生で57.7%、高校生で40.9%、大学生で28.4%となった。具体的には、「学習塾」や「英会話」「通信教育」「書店の教材」などで学習しているようだ。
また「その他」と回答した人からは、
といった回答が挙がった。
続いて、全員を対象に英語に対する意識について調査した。英語を「とても好き・やや好き」と回答した人は、中学生で50.6%、高校生で51.9%、大学生で57.1%となった。若年層の半数以上が英語に対して好意的な印象を持っていることがわかった。
この結果を「授業以外で英語学習をしている」と回答した人と、「授業以外で英語学習をしていない」と回答した人とで比較したところ、「とても好き・やや好き」と英語に対して好意的な回答をした人は英語学習をしている場合が多く、英語学習をしていないと回答した人よりもポイントが倍以上高い結果となった。
「授業以外で英語学習をしていない」と回答した人において、英語が「あまり好きではない・全く好きではない」と回答した人は中高大生全体で3割以上となり、英語に対し苦手意識を持っていることがわかった。
ここからは、英語学習におけるスマートフォン利用に関する調査結果を紹介する。「スマートフォンを利用して英語学習をしている」と回答した人は、中学生で24.8%、高校生で35.9%、大学生で25.3%となった。いずれも4人に1人がスマートフォンで学習していることがわかる。
「スマートフォンを利用して英語学習をしている」と回答した人を対象に利用しているものを尋ねたところ、中高大生ともに「アプリ」を利用していると回答した人がおよそ8割となった。
アプリ利用者を対象に「アプリの利用頻度」を尋ねたところ、中学生の19.4%、高校生の13.7%、大学生の12.3%が「ほぼ毎日利用している」と回答した。
アプリ利用者を対象に「英語学習アプリに求める効果」を尋ねると、中高大生の中で差異が見られた。中学生では半数以上が「学校授業のサポート」および「反復学習のサポート」を、高校生では6割以上が「学校授業のサポート」を求めており、中高生においては学校や塾などで学習した内容をサポートして欲しいと考えている様子が伺えた。一方で大学生は、半数以上が「試験・検定取得のサポート」「反復学習のサポート」をアプリに求めていることがわかった。
そこで、全員を対象に日本で行われている英語に関する検定の取得率を調査した。高校生、大学生においては約6割が日本英語検定を取得しており、大学生では3割以上がTOEICの試験を受けており、中高生と比べて取得率が高いことがわかった。
アプリ利用者と非利用者の検定取得率を比較したところ、英語学習アプリ利用者は非利用者と比べて、全ての検定において取得率が高いことが判明した。また、「英語に関する検定を取得していない」と回答した割合も英語学習アプリ利用者は非利用者に比べて2割ほど低く、英語学習アプリ利用者は検定取得に意欲的なことが伺える結果となった。
最後に、英語学習アプリを利用している中高大生の男女191名(中学生:51名、高校生:70名、大学生70名)から「英語学習アプリ」のスクリーンショットを収集し、利用アプリを集計。その傾向を調査した。
その結果、第1位は中高大生ともに「スタディサプリ」となった。また、「ターゲット友」「Duolingo」「mikan」はいずれの年代でもランクインした。ランク外の保有アプリからは、中高大生各々の利用傾向が見られた。
中学生においては、「英単語」を学べるゲーム要素の強いアプリや「英単語HAMARU」などの動画学習のアプリが散見された。高校生においては、「Clear」や「Quizlet」など自身の学習をまとめたり共有できたりするアプリが目立った。大学生においては、「ikow」や「ALCO」「abceed」などTOEICの単語、リスニング対策ができるアプリを利用する人が多く見られた。
今回の調査結果から、中高大生の英語に対する意識に加え、スマートフォンを利用して自身の英語学習をサポートしている学生の様子が伺えた。
アンケート回答者の中高大生の8割以上が英語を習得することが重要と回答した一方、授業以外で英語学習をしていない人は英語に対する苦手意識が高かったことからも、アプリや動画などスマートフォンを利用して、英語に触れる機会を作ることが英語習得の鍵になると言えそうだ。
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