Alphabet傘下のVerily、涙から血糖値を測定できるコンタクトレンズの開発を中止

Abrar Al-Heeti (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ) 編集部2018年11月19日 10時38分

 Googleの親会社Alphabet傘下のVerily Life Sciencesは、糖濃度測定コンタクトレンズの開発を中止することになった。最高技術責任者(CTO)のBrian Otis氏が米国時間11月16日に明らかにした。

 Verilyはこのプロジェクトを進めていることを2014年に明らかにした。その目的は、糖尿病患者の血糖値測定を支援できるようにする小型のセンサを組み込んだスマートコンタクトレンズの開発だ。同年、スイスの製薬会社Novartisのアイケア部門であるAlconとの提携も発表した。この提携によりAlconは、当時のGoogleの研究部門Google Xからスマートレンズ技術のライセンス供与を受けていた。

糖濃度測定コンタクトレンズのプロトタイプ
糖濃度測定コンタクトレンズのプロトタイプ
提供:Google

 糖濃度を測定するレンズのほか、Verilyは、老眼用のコンタクトレンズや、白内障の手術後に視力を改善するための眼内レンズにも取り組んでいる。

 Otis氏によれば、糖濃度測定コンタクトレンズの臨床研究を行った結果、涙液の糖濃度と血糖値の相関測定において、「医療機器に求められる要件を満たせる」ほど「十分な整合性が見られなかった」という。特に問題となったのは、人の目という複雑な環境の中で、涙液中の糖濃度を正確に測定することだった。

 また、「信頼できる涙液中の糖濃度測定に必要な定常状態の達成」が難しいことも臨床研究は示している。

 Otis氏によれば、Verilyは今後も「糖尿病患者の生活向上を支援する」予定であり、製薬大手のSanofiと共同で設立したOnduoと連携しながら、「2型糖尿病患者のケアに常時測定システムを組み込む」ための取り組みを続けるという。また、Dexcomと連携して、小型の常時糖濃度測定システムを開発する計画だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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