Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は米国時間11月15日、Facebookはロシアのトロール活動による選挙干渉について把握するのが遅れ、「その過程で対応に問題があった」と述べた。しかし同氏は、一連のスキャンダルに対するFacebook経営陣の対応に疑問を呈した14日のThe New York Times(NYT)の衝撃的な記事に反論した。
Zuckerberg氏は15日の電話会議で、「真実を知ることに関心がなかった、あるいは把握していることを隠そうとした、調査を回避したいと考えていたといった指摘は、まったく事実ではない」と述べた。
NYTは14日、5000語を超える調査レポートを公開し、ロシアの工作活動による選挙干渉や、大量のデータが流出したプライバシー問題に対するZuckerberg氏と最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏の対応を厳しく批判した。
この記事によると、両氏はこの3年間、スキャンダルが次々と明らかになる中、警告を無視し、非難をそらし、他のプロジェクトに気を取られていたという。これまでに、ロシアのトロール活動による2016年米大統領選への干渉や、政治コンサルティング企業Cambridge Analyticaが8700万人分ものFacebookユーザーの情報を収集していたデータプライバシーの問題などのスキャンダルが発覚している。
FacebookはNYTの記事の一部について否定しており、15日に掲載したブログ記事の中で、「いくつかの誤った記述」があるとしている。Facebookの取締役会は15日、声明の中で、Facebookの現在の経営陣を支持すると述べた。
声明では、「MarkとSherylが議会で証言したように、Facebookはロシアによる干渉を把握するのがあまりにも遅く、大きく対応が遅れた」とし、「取締役会として、両氏に迅速な対応を強く求めた。しかし、彼らはロシアによる干渉について把握しており、それを無視しようとしたり事実関係の調査を回避しようとしたという指摘は、極めて不当だ」と述べられている。
NYTの記事は、Facebookの社内の問題やワシントンのロビー活動の一部についても記述している。Definers Public Affairsという企業が、7月の議会公聴会でFacebookに抗議した団体と、Facebookに批判的な発言をしてきたGeorge Soros氏との金銭的つながりに関する調査文書を、報道陣らの目にとまるように流布したという。
NYTの記事が公開された後、FacebookはDefiners Public Affairsとの契約を終了した。Zuckerberg氏は電話会議で、同氏とSandberg氏はDefinersと関連がなく、Definers Public Affairsのやり方について、NYTの記事で初めて知ったと述べた。
Facebookは15日、オンライン規則の適用方法を説明する新しいレポートも公開した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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