Appleの「MacBook Air」に待望の刷新が施された。製品名は同じだが、それ以外のほぼ全て(外観も内面も)が変わった。具体的には、新しい第8世代のIntel「Core i5」CPU、より大容量のRAMとSSDのオプション、高解像度の「Retina」ディスプレイ、USB-C(Thunderbolt 3)ポートへの移行といった特徴を備える。製品名はMacBook Airのままだが、「MacBook Pro Lite」と呼んでもいいほどである。実質的にその名にふさわしい製品だからだ。
10年以上前に発売された従来のMacBook Airは、大学生からクリエイティブなユーザー、スタートアップの起業家まで、ほぼあらゆる人に向けた定番のノートブックだった。筆者は長年、MacBook Airを、最も普遍的で便利な市販のノートブックと評してきた。
だが、ここ何年かで、競合製品はより高解像度のディスプレイ、細いスクリーンベゼル、より大きなタッチパッド、定期的なコンポーネントのアップグレード、より薄型軽量の筐体を採用するようになってきた。
この刷新されたMacBook Airでは、これまでのデザインに関する問題がほぼ全て修正されているが、新たにいくつかの問題も加わった。新型MacBook Airは、以前と比べて、デザインの感じが現行のほかの「Mac」のデザインとかなり調和するようになった。12インチ「MacBook」より大きく、13インチ「MacBook Pro」と同じくらいの大きさだ。そして、Appleが少なくとも現在のところは販売を継続している、従来のMacBook Airとは大きく異なる。
つまり、分厚いスクリーンベゼル、小さめのタッチパッド、深いキーストローク、複数のポートといった特徴を持つ往年のデザインが姿を消したのだ。どちらかと言えば、新型MacBook Airの外観や感触は、12インチMacBookと13インチMacBook Proの中間に位置する製品のように思える。
価格もほかのMacBookと歩調を合わせるように値上げされた。長い間、MacBook Airは9万8800円(税別)だった。安くはないが、何年も使用できる極めて堅実なノートブックとしては特に、妥当な価格の高級製品だ。
新型MacBook Airの価格は13万4800円(税別)からとなっている。初めてのMacBook Airは10万円ほどで入手するものと思ってきた世代にとって、これは大変な打撃だ。現時点では、基本構成の12インチMacBookや13インチMacBook Proより8000円安いだけなので、それぞれの価格と機能を比較検討するべきだろう。
筆者が比較検討する際のポイントを簡単にまとめると、以下のようになる。新型MacBook Airと比べた場合、
それぞれのノートブックの長所は異なり、ベースモデルの価格差もわずか8000円なので、全ての人に当てはまる1つの正解というものはない。とはいえ、この新型MacBook Airは、対極にある2つの製品の中間に位置する安全な選択肢と言える。
本体を手に取ると、筆者の慣れ親しんだ現行MacBook Airより軽くて小さいことがすぐに分かった。重さ1.25kg、厚さ約15mmの新型MacBook Airは、13インチノートブックとして実はかなり平均的なサイズである。同様のシステムの中には厚さが10mm以下のものもあるが、そうしたシステムではバッテリや機能、処理能力が犠牲になっている。新型MacBook Airは薄型ノートPCの主流にしっかりと入っているが、その中で最も優れた製品ではない、というのが実情だ。
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