何か音がするので、部屋を見渡してみると、自分の近くで音がしていることに気づいた。MacBook Airを持ち上げて耳に近づけると、ノートブック自体の内側から音が出ていた。新型MacBook Airのファンが作動することはそれほど多くないが、実際に作動すると、静かな部屋ではファンの音が聞こえる。12インチMacBook、そして、Acerの「Swift 7」や「Surface Laptop 2」といったほかのファンレスPCを使用した後だと、これほど薄いデバイスでファンがあのように作動する音を聞くのは、ちょっとした衝撃だった。
この新しいMacBook Airのプロセッサについては、既にかなり多くの論評が書かれている。内蔵されているIntelのCPUは、正確にはIntelのYシリーズのデュアルコアプロセッサだ。12インチMacBookは同じシリーズのチップを使用している。このクラスのほとんどのWindowsノートPCは、IntelのUシリーズのクアッドコアプロセッサを採用している。話を単純化しすぎかもしれないが、一般にYシリーズは性能で劣る一方で、バッテリ持続時間が長く発熱も少ない。Uシリーズは高性能だが(とはいえ、ゲーミング向けノートPCやデスクトップPCなどのプロセッサにはまだ遠く及ばない)、バッテリ持続時間と冷却が犠牲になる。AppleはこれらのCPUをカスタマイズしていると言われており、市販の標準チップと全く同じではない。
この件をできるだけ分かりやすく説明すると、次のようになる。新型MacBook Airは、今も販売されている旧モデルより少しだけ高速だ(といっても、旧モデルに搭載されているIntelチップは数世代前のものなので、大したことではない)。新型MacBook Airは現行の12インチMacBook(2017年のIntelチップを搭載)と比べても高速だが、同じ価格帯の一部のWindowsノートPCや基本構成の13インチMacBook Proに比べると低速である。
それでは、パフォーマンスは以前より向上しているのだろうか。答えはイエスだ。重さ1.25kgで本格的なファンが搭載されている13万4800円のノートブックには、もっと強力なCPU性能を期待すべきなのだろうか。これも、答えはイエスだ。
あと8000円払えば、性能では劣るが携帯性に優れた製品(基本構成の12インチMacBook)が手に入る。あるいは、同じようにあと8000円払って、携帯性では劣るが、より高性能な製品(基本構成のMacBook Pro)を手に入れることもできる。新型MacBook Airは、この2つの選択肢のちょうど真ん中に位置付けられる。そして、これは適切な位置付けであるように思える。Windowsプラットフォームに移行することをいとわないのなら、スペックや性能、価格の選択肢は大幅に広がるが、「macOS」を利用できなくなる。多くのユーザーがMacを買うのは、このOSを利用するためだろう。
4K動画の編集やプロフェッショナルなハイエンド写真撮影、高度な3Dモデリングなどの仕事に携わっている人は、どのみちMacBook Proを検討しているはずだ。それ以外の全ての人にとって、前世代のMacBook Airは概ね十分な速さを備えていた。それは、最新世代の12インチMacBookも同じだ。この新型MacBook Airはそれら2つの機種より高速なので、筆者はCore i5が搭載されていることについて、特には心配していない。
だが、少しだけあえて反対の立場をとるなら、こう言おう。あと8000円多く払えば、CPUの性能がはるかに強力な基本構成の13インチMacBook Proが手に入る。
新型Macbook Airは素晴らしいデザインや使いやすさを備え、コンポーネントも強化されている。前機種と比べて優に2万円以上は払う価値があるだろう。惜しいのは、Macbook Airが今回も全体的に最も使いやすいノートブックの1つとなっていながら、多くの潜在ユーザーにとっては高価すぎるという点だ。
なお、GeekbenchとCinebenchによるベンチマーク結果は以下の通りだ(バーが長いほど高性能)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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