法律とテクノロジを融合することで、法律関連産業の発展を図ることを目指す団体「LegalTech協会」が11月16日に設立された。AIやブロックチェーンなど最先端の領域に特化したトップコート国際法律事務所の代表弁護士である伊澤文平氏が、同協会の代表理事を務める。
「LegalTech(リーガルテック)」とは、法律(legal)と技術(Technology)を掛け合わせた造語のこと。法律業界はいまだにコミュニケーションにFAXを利用するなどアナログな側面が強く、他業界と比較してもIT化が遅れていると同協会は説明。また、弁護士でないものが、法律活動をして報酬を得ることを禁じる「弁護士法72条」についても、現代に即した内容ではないと伊澤氏は指摘。同協会で新たなガイドラインを設けるとともに、法改正も働きかけたいと話す。
LegalTech協会では、(1)国内外の関連諸団体などとの情報交換や連携・協力のための活動、(2)ビジネス機会創出のための各種活動、(3)ガイドラインの策定・提言を含む関係省庁や関係団体との連携や意見交換、(4)LegalTechに関わる調査研究や情報発信、(5)そのほか同法人の目的を達成するために必要な活動などを進めるとしている。
LegalTech企業を中心とした「企業」や、弁護士を始めとした「士業」、学者その他の「有識者」が会員として加盟。発足メンバーには、日本マイクロソフト(顧問参加)などの大手企業や、集団訴訟プラットフォーム「enjin」を運営するクラスアクションを始めとしたLegalTechベンチャー企業などが名を連ねているという。
なお、LegalTech協会は同日、RPAテクノロジーズとの提携も発表。同社のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「BizRobo!」を活用して、士業事務所関連業務の負担を軽減するデジタルレイバーのソリューションを共同で開発するとしている。また、BizRobo!をLegalTech協会の会員となる士業事務所に普及させ、士業事務所の業務改善を提案するほか、必要に応じて導入支援の事業体も立ち上げる。さらに、BizRobo!の導入効果を測定・記録し、ソリューション開発に役立てるという。
各士業事務所に共通する業務については、BizRobo!をLegalTech協会内外の士業事務所に展開。各士業事務所の得意分野・専門分野に特化したデジタルレイバーのソリューションも開発するという。これにより、(1)手書き書類のデジタル移行の自動化、(2)各種契約書類の自動チェック、(3)使用ツール間のデータ連携、(4)判例検索とその絞り込みの自動化、(5)各種業務へのAI導入などの業務改善、などを実現するとしている。
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