楽天と西友は10月25日、両社が共同で運営するネットスーパー「楽天西友ネットスーパー」を開店した。西友が従来から運営していたネットスーパー「SEIYUドットコム」に楽天が新たに参加し、品揃えを拡大してリニューアルオープンした。
最初に説明に立った楽天の執行役員コマースカンパニーファーストパーティー事業ヴァイスプレジデントを務める小森紀昭氏は、ネットスーパー共同運営に参加した理由として、ネットスーパー市場がまだまだ小さく、大きく成長する余地がある点を挙げた。
小森氏によると、事務用品や文房具購入者のEC利用率は37.4%、家電やPCは30.2%、書籍、映像、音響ソフトは26.4%と高くなっているが、ネットスーパーの主力製品である食品、飲料、酒類になると、EC利用率はわずか2.4%。この点を見てまだまだ大きく成長する余地があると判断した。
さらに、ネットスーパーを1度利用すると高い確率でリピーターになるという。この現象を見て小森氏は「これほど高い頻度でお買い物頂けるネットストアはほかにない」と語り、利用者増加とリピーター獲得で売り上げを伸ばしていく方針を示した。
加えて、楽天西友ネットスーパーを楽天IDと連携させ、顧客が「楽天スーパーポイント」を利用できるようにした。買い物のたびにポイントが貯まり、まとまった量のポイントが貯まったら商品と交換できる。楽天IDの会員数はおよそ9900万人に達する。西友は楽天ID会員から楽天西友ネットスーパーに集客できればと強く期待しているという。
続いて説明に立った、西友の執行役員シニア・バイス・プレジデントである竹田珠恵氏は、これまで西友が運営してきたSEIYUドットコムに注文が殺到し、首都圏では商品の配送が注文後2〜3日後に遅れている現状を明かした。15時までの注文なら即日配送が可能なはずが、注文殺到により当日配送が事実上不可能になっているという。
その原因の1つとして、ネットスーパーの注文と配達をすべて西友の各店舗が担当していた点を挙げた。店舗では顧客から注文を受けると、担当者が在庫から商品を選び出して配達していたが、店舗を運営しながら膨大な注文を受け付けることに無理があったというわけだ。
そこで今回の楽天西友ネットスーパー開店に合わせて、千葉県柏市に「ネットスーパー専用センター」を開設した。ネットスーパー向けの商品を大量に在庫する物流基地だ。このセンターは冷凍冷蔵庫を完備し、1つひとつの商品を常温・冷蔵・冷凍の中から最適な状態で保管できるという。
加えて、都内数カ所に配送拠点を開設した。ネットスーパー専用センターからの商品はまず配送拠点に輸送し、それぞれの配送拠点から配送先に配達する。ネットスーパー専用センターと配送拠点の運用開始によって、従来に比べて1.5倍の注文に対応できるようになったという。
そして顧客からの注文を受けたら、配送先の住所によって近隣の店舗かネットスーパー専用センターのどちらから配達するのが最適かを判別し、受注件数の最大化と短時間での配達を実現するとしている。
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