楽天は8月31日、仮想通貨交換業を運営するみんなのビットコインの全株式を、楽天の連結子会社である楽天カードを通じて取得することを決議したと発表した。取得株式は5100株で、取得価額は2億6500万円。10月1日での株式譲渡を予定している。
楽天グループでは、2016年にブロックチェーンの研究機関として「楽天ブロックチェーン・ラボ」を英ベルファストに設立。ブロックチェーン技術の研究を進めており、将来的にはEコマースや実店舗での決済、P2Pでの決済手段として、仮想通貨による決済機能の役割が大きくなると見込んでいるという。
仮想通貨の決済手段を円滑に提供するためには、仮想通貨交換所機能の提供が必要であり、またグループの楽天証券において、FX顧客を中心に、仮想通貨による運用のニーズが大きくなっていたことも仮想通貨交換業への参入検討の背景になったとしている。
みんなのビットコインは、2017年3月30日に仮想通貨交換所のサービスを開始。2017年9月7日には、関東財務局へ仮想通貨交換業者の登録を申請しており、現在「みなし仮想通貨交換業者」として営業している。なお、4月25日に関東財務局より、経営管理態勢の構築、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る管理態勢の構築、帳簿書類の管理態勢の構築、利用者保護措置に係る管理態勢の構築、システムリスク管理態勢及び外部委託先管理態勢の構築の改善を求める業務改善命令が発出されており、現在、指摘事項については改善を図っているという。
楽天では、みんなのビットコインが仮想通貨交換業者の登録を目指すには、楽天グループの傘下で事業を強化し、シナジーを最大化させることで、事業のさらなる安定と拡大とともに新サービスの提供を実現できると判断し、株式譲渡に関する協議に入ったとしている。
同社では、みんなのビットコインによる仮想通貨交換業のノウハウと楽天グループの金融事業におけるノウハウを合わせ、事業体制を確立することで、早期の仮想通貨交換業者としての登録と今後の仮想通貨に関するサービス展開が期待できると判断し、株式取得に至ったとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス