高速道路など一定速度で走行し続けられる状況の場合、複数の自動車が隊列走行(プラトーニング)すると全体としてのエネルギー効率が改善する。先頭車両が風よけになって後続車両の空気抵抗が軽減されるためだ。
これに対しAppleは、自動運転対応の自動車を隊列走行させ、同時にEV間でバッテリの電力を融通させる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月23日に「PELOTON」(特許番号「US 10,108,202 B1」)として登録された。出願日は2016年9月23日。
この特許のPELOTONという名称は、自転車レースやマラソンなどにおいて、固まりになって走る集団を意味する単語。軍隊におけける「小隊」という意味もある。特許の説明では、2台以上の自動運転車が道路を走行中に近づき、お互いの距離を保って隊列走行するのに必要な技術が記述されている。
クレーム(請求項)のうち隊列走行に必要な技術を説明する部分では、自動車の種類に言及しておらず、自動運転に対応した車とだけ規定。つまり、電気自動車(EV)に限らず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンで走る自動車にもこの特許は適用できる。
隊列走行している自動車同士の電力回路を接続する方法は、第3クレームで初めて登場する。そして、ほかのクレームで接続用アームの制御方法などを規定している。
これらクレームを総合することで、自動運転で隊列中の自動車同士を電気的に接続して電力を融通させる、という制御が可能になる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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