Spates氏は、Google Home Hubによってスマートホームのアーリーアダプターの段階から脱却し、このインターフェースを、自分の母親でも使えるほど簡単なものにすると語った。スマートスピーカは、初期のスマートホームに見られる最大の問題の1つ、つまり複数ユーザーの問題を解決するようになってきた。Google Home HubとGoogle Homeアプリは、そのタスクを仕上げるための取り組みだ。
ユーザーはGoogle Homeアプリを通して、スマートホームコントロール機能を素早く共有することができる。Google Home Hubは、音声以外のオプションも利用できるコントロール機能を一元管理する場所を提供する。訓練を受けたりすることなく、誰でもこれらの機能を簡単に使いこなせることが実証されれば、テクノロジに苦手意識を持つ家族にも、スマートホームの魅力を伝えることができるかもしれない。
とはいえ、筆者の理想はGoogle Home Hubによって「SmartThings Hub」が不要になることだが、現状ではまだ必要だ。新しいデバイスのセットアップには依然としてある程度の作業が伴う。だが、Googleは、ユーザー自身やその家族にとっての利便性を高めるために、現状を改善する努力をしてくれるだろう。
自社ブランドの下でスマートホームを統合しようとしているのは、Googleだけではない。AppleとAmazonにもそれぞれ独自の取り組みがある。そして、議論の余地はあるものの、両社ともGoogleよりも有利なスタートを切った。Amazon Echoとそれに内蔵されたAlexaアシスタントは2014年、スマートホームに革命をもたらした。Appleのスマートホームプラットフォームである「HomeKit」(Appleのデジタルアシスタント、Siriで家電などを制御できるようにするもの)は、Echoよりも先に登場した。Google Homeとそれに内蔵されたGoogleアシスタントが登場したのは、2016年のことだ。
AppleのHomeKitと連携するスマートホームデバイスは、依然としてGoogleやAmazonより少ない。Amazonは最も多くのデバイスと連携し(9月の時点で3500ブランドの2万種類のデバイスに対応)、ZigBee無線機能を内蔵する「Amazon Echo Plus」というスマートスピーカも提供している。
これらの企業はすべて、対応する機器にかなり洗練された音声制御機能を提供しているが、少なくともAmazonとGoogleにとって、タッチ操作の向上を追求している点は新しい。Googleの新しいアプリは、AppleのスマートホームプラットフォームであるHomeKit向けの「ホーム」アプリ(2016年リリース)に似ている。
Amazonは、自社のAlexaアプリにひっそりとスマートホーム制御機能を追加し始め、人気を集めた初代スマートディスプレイの最新版である「Amazon Echo Show」には、スマートホームをタッチで制御するドロップダウン形式のメニューを採用した。Amazon Echo Showは便利なショートカットがそれほど多くないため、Google Home Hubよりもやや使いづらそうに見えるが、Amazon Echo Showの前モデルにはスマートホーム向けタッチ制御機能がなかったことを考えると、良い方向に進んでいると言えるだろう。
GoogleとAmazonは、自社のデジタルアシスタントとスマートスピーカに、極めて類似した機能を長く搭載している。2017年、両社はほぼ同時期にそれぞれのスマートスピーカに通話機能を搭載した。競争という観点から言うと、両社の戦いはまだまだ続くだろう。
しかし、当面は、Googleの分かりやすく一貫性のあるデバイス管理方法のほうが、コネクテッドホーム製品を扱いやすく、すべての対応機器を通じて体験を共通にできるだろう。スマートホームの理想は、できるだけ手間をかけずに、望んだことをたやすくできるようにすることだ。Googleはそれを実現すべく、できるだけ多くの方法を提供しており、その過程でスマートホームをさらにシームレスなものにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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