タニタ 代表取締役社長の谷田千里氏は、少子高齢化、日本の医療費の高騰など踏まえ、「高齢者の概念を見直し、生涯現役の社会を実現しないとならない。私たちだけでできることは限りがある。いろいろな企業を巻き込みながら、国の健康政策を支援したい。日本をもっと健康にするため、生涯現役社会の実現に向けたスタート」と語った。
タニタヘルスリンクは、調達した資金を活用して、タニタのほかINCJおよび事業パートナー4社が持つヘルスケア関連情報やサービス、システムなどを有機的に融合させ、誰もが利用できるオープンな「健康プラットフォーム」を産学官連携で構築する。
健康プラットフォームを使ったヘルスケア事業の第1弾として、岡山市をフィールドにした取り組みを2019年度中にトライアルスタートする。検診施設や医療施設(病院・クリニック)を運営する淳風会が、岡山を拠点にしていることが理由だ。淳風会は、中・四国エリアで初のタニタ食堂を運営するなど、これまでにもタニタとつながりを持っている。
具体的には、タニタヘルスリンクが企業や自治体に提供している集団健康づくりサービス「タニタ健康プログラム」を通じて、本人同意の上で蓄積した計測データ(体組成や運動など)や食事データを含む約80万人の健康データと、淳風会が加盟する全国健康増進協議会に働きかけて得られる健診データとを統合する。
そのデータをもとに、「東京大学センター・オブ・イノベーション(COI)自分で守る健康社会拠点」が開発した技術を活用して、生活習慣病のトリガーであるメタボリックシンドロームの発症リスクを予測、可視化し、行動変容を促進する仕組みを構築。
利用者が提供した生活習慣や趣味嗜好などの各種情報や各種健康関連情報を解析し、本人が健康行動を取り続けたいと思えるプログラム、コンテンツの提供を行う日本独自の技術を使った健康プラットフォームを日立システムズらと共同で開発する。
一人ひとりの可視化された疾病リスクに応じた行動変容を促すための最適解を導き出すソリューションを提供する解析エンジンを開発する予定だ。
加えて、この健康プラットフォームには、筑波大学大学院の研究成果をベースにしたエビデンスに基づく運動プログラムなどを実装するほか、自発的に「簡単で、楽しく、続けたい」と思えるソリューションを展開する計画だ。
また、イトーキが持つ健康経営を支えるオフィスづくりから得られた働き方・生産性などの労働関連データや、タニタヘルスリンクが持つ利用者の生活関連データ(生活習慣や趣味嗜好)などを健康プラットフォームのデータベースに組み入れ、解析精度の向上を図っていくとしている。
一方、解析したデータは、SBI生命保険による日々の生活習慣と連動した保険商品などの開発をはじめ、企業や自治体の健康経営・健康投資の推進、個人の疾病予防や健康づくりなど、公的保険制度を下支えできるよう役立てていくという。
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