Amazonは米国時間9月20日、サブウーファーやスマートプラグ、電子レンジなど、人々の家庭に音声アシスタント「Alexa」をさらに取り込む多くの新しいデバイスを発表した。スマートスピーカ「Echo」シリーズもアップデートしている。
シアトルにあるAmazon本社で開かれたイベントで、デバイス&サービス担当シニアバイスプレジデントを務めるDavid Limp氏は、報道陣に「家庭に非常に数多くのデバイスがある未来を想像してほしい」と語りかけた。Amazonは、他のメーカーとの連携を深めて新しいホームサービスを提供することで、そうした未来の実現を計画している。
Amazonのデバイス戦略は、基本的にAlexaをいたるところに存在させるというものだ。
「Echo Sub」は、Echoや「Echo Plus」と接続し、音楽を聞く際に低音を加える。100Wでダウンファイアリング型のサブウーファーでありパワフルな重低音を実現する。Echo Subを2台同時に接続させれば、左右からのステレオサウンドも可能だ。セットアップするには、電源をつないで「Alexa」アプリを開き、音楽を制御するEchoデバイスと無線接続すればいい。
新しいEcho Subを補完するため、Amazonは他にも2つのオーディオ製品を発表した。「Echo Link Amp」と「Echo Link」は、複数の音声入出力オプションがあるステレオアンプだ。Echo Linkは、受信機やアンプと接続し、Echo Link Ampは、Echoがステレオシステムで音楽を再生できるようにする。Echo Link Ampは60Wのデュアルチャネルアンプを内蔵している。米国では、Echo Linkは2018年中、Echo Link Ampは2019年初めに発売される。
Echo Link AmpとEcho Linkは、他のEchoデバイスと連携するよう設計されており、製品そのものにAlexaは内蔵されていない。
「Amazon Smart Plug」を使用すると、Alexaを通じて電源コンセントを制御できる。
照明、コーヒーメーカー、家電を自動的にオンまたはオフにするようスケジュール設定などができる。これをリモートで管理することもできる。スマートホームハブは不要だ。デバイスをコンセントにつなぐだけで、AlexaアプリまたはAlexa対応デバイスを使って制御できる。一部のEchoデバイスにバンドルされているSmart Plugを購入すれば出費を抑えられる。
次は「Echo Input」だ。手元にあるどのスピーカでも、Echo InputをつなげばEchoに早変わりする。いわばスピーカのない「Echo Dot」のようなものだ。ただし、広域マイクを備えている。別のスピーカとつないだりペアリングしたりするように設計されており、ホームオーディオ機器にAlexaを加えることができる。
Echo DotはAmazonで最も人気のある音声制御式スピーカだ。これまでで最も売れているスピーカであり、Limp氏は「7万5000件の5つ星評価がそれを裏付けている」と述べた。それでも、同氏によると「チームはこの製品のためにゼロから設計を見直した」という。そして音質を改良し、デザインを刷新した。
音量は70%向上し、音質もさらにクリアになった。4つの広域マイクを備え、Alexaは部屋の反対側からでもユーザーの声を聞き取れるようになった。ユーザーはこれを別の部屋に置いた対応Echoデバイスに接続できるが、Bluetoothまたは3.5mmステレオミニプラグのオーディオケーブルで他のスピーカに接続することもできる。
新型のEcho Plusは、360度サウンドのプレミアムスピーカを搭載するほか、内蔵型のZigBee規格対応スマートホームハブと温度センサも備える。7つのマイク、ビームフォーミング技術、ノイズキャンセリング機能によって、どの方向からでもユーザーの声を聞き取れる。
「Echo Show」の最新モデルは、デザインが刷新されており、オーディオ品質が向上している。また、これまでのバージョンより大型の10インチディスプレイを搭載する。
これは、Alexaを使ってセットしたタイマーを表示するEchoの新しい周辺機器だ。文字盤の周囲にLEDが環状に埋め込まれ、作動しているタイマーを示す。29.99ドル(約3400円)で、米国では2018年中にリリースされる。
Amazonが開発した電子レンジ「AmazonBasics Microwave」は、デジタルアシスタント「Alexa」に対応する。「Dash Replenishment」や「Auto Popcorn Replenishment」にも対応し、ポップコーンを自動的にAmazonで注文することができる。59.99ドル(約6700円)で、米国では年内に出荷開始される予定だという。
Amazonは、デバイスをインターネットに接続してスマート化するシンプルな手段として、「Alexa Connect Kit」をリリースする。最初に提供されるのは、BluethoothとWi-Fiに対応するモジュールだ。セキュリティや認証、設定など、開発者が必要とするクラウドサービスにつながる。Amazonはすでに、メーカーに初期プレビュー版を提供している。
Amazonは、スマート監視カメラ企業Ringを買収している。今回、新しい「Ring Stick Up Cam」を発表している。Ringにはすでに「Stick Up Cam」があるので、これはそのアップデート版だ。
「Fire TV Recast」は、アンテナから家庭に番組を配信できる。また、デジタルビデオレコーダ(DVR)でもある。
Fire TV Recastを利用すれば、テレビ放送を視聴できる。家の中に置くだけで、「Echo Show」「Echo Spot」「Amazon Fire TV」やモバイル端末へのストリーミングを開始できる。ABCやThe CW、NBCのようなチャンネルからの番組などを視聴可能で、録画されたテレビの生番組をEcho Showに送信する。一度に最大4つの番組に対応し、複数のデバイスでストリーミングが可能だ。Alexaを利用すれば、音声で録画を削除したり予約したりできる。
Echo Autoは、自動車のダッシュボードの上に置くことのできる小さなデバイスで、Bluetoothでスマートフォンに接続することができる。米国では、招待限定の特別価格が24.99ドル(約2800円)、通常販売価格が49.99ドル(約5600円)となっており、2018年中に出荷が開始される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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