iPhone XSで撮影する動画の画質は、静止画よりも、スマートフォンのカメラの性能向上による恩恵を受けているかもしれない。強化されたHDRと手ぶれ補正のおかげで、気軽に撮影した動画も鮮やかに見える。それは1080p、30fpsで記録した動画でも同じだ。カメラを片手で持って歩きながら撮影した動画が、ジンバルのようなカメラ安定装置を使って撮影したように見えることも多かった。画面がぶれたり、たどたどしく動いたりすることが減った。マイクもステレオで録音できるようになったが、気軽に撮影した動画では、その違いが分からなかった。
iPhone Xと同様、iPhone XSも横向きモードで堅実なステレオサウンドを出力するが、XSでは音質がさらに一段階向上している。筆者はiPhoneで何かを聴くとき、可能な限りヘッドホンを装着するようにしているが、XS本体のスピーカは確かに音質が向上しており、より鮮明で音量が大きくなったように聞こえる。本記事の執筆中、妻から何度も音量を下げてほしいと言われた。映画やゲームの音質は素晴らしく、「iPad Pro」で聴いているかのようだった。さて、スピーカの音質を確認できたら、今すぐヘッドホンに戻そう。電車の中でゲーム「Fortnite」をプレイした時に音が出ないようにしなければ。
XSとXS Maxでは、より高速なギガビット級LTEがついに約束されている。筆者が使用したテスト用のVerizonアカウントで、iPhone XSは約束通りの性能を発揮した。ニュージャージー州で250Mbpsのダウンロード速度を記録した。iPhone Xで同じSIMを使用した場合は170Mbpsだった。これに対し、わが家のブロードバンドはわずか約85Mbpsだ。
真新しいiPhoneチップを前年と比較するときによくあることだが、高速化したAppleのA12 Bionicチップは、日常的な使用ではこれまでとの違いが分かりにくい。確かに速く感じるが、アプリや消耗の影響が出始める前の新しいスマートフォンは動作が速く感じられるものだ。普段の使用では、アプリはこれまでより幾分速く読み込まれる。初期のベンチマークでは、速度の大幅な向上が必ずしも表れないこともある。「Geekbench 4」ではわずかな向上が見られ、3DMarkの「Ice Storm Unlimited」では約50%の向上が見られた。
XS/XS Maxで速度と品質、パフォーマンスの向上を最も感じられるのは、AR体験かもしれない。多くのアプリが「iOS 12」と「ARKit 2」向けにアップデートされる前でさえ、違いを感じることができる。筆者がXとXSの両方で試したARアプリは、XSを使ったときの方が、動画が高画質かつ滑らかで、背景の解像度も高かった。Appleによると、それは機械学習およびコンピュータビジョン向けの、大幅に強化された「Neural Engine」チップのおかげだという。
筆者が感じたのは、草の茂った丘に重ねたバーチャルな恐竜が、より高画質で表示されたということだ。地面から出現させたパズルの箱は、よりリアルに感じられた。そして、スマートフォンの画面上でARの靴があまりにもリアルに見えたため、実際に自分の手を伸ばして、動かそうとしてしまったことも何度かあった。
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