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麻倉怜士の新デジタル時評--リスニングルーム大幅リニューアル、AVアンプ、DACなど入れ替え - (page 2)

加納恵 (編集部)2018年08月21日 15時01分
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違いは圧倒的、サエクのバランスケーブルに変えて得た濃密な音

 ここまでシステムを変えると、次はケーブルが課題になる。バランスケーブルにはサエクの「STRATOSPHERF XR-1」を使用。導入時には、バランスケーブルとアンバランスケーブルの聴き比べをした。

サエクの「STRATOSPHERF XR-1」
サエクの「STRATOSPHERF XR-1」

 聴いてみると、その違いは圧倒的。Ultra DACもJubileePreampも素晴らしいが、ケーブルをバランスに変えると、音楽の深みや”綾”、抑揚感など、音の表情が濃密に現れる。速いリズムを刻んでも、強調した速さではなく、悠然とした速さ。これはすごいと感じた。

 あわせて、イコライザとプリアンプの接続もバランスケーブルに変更。イコライザはリアルサウンドラボの「APEQ-2pro」を使用しているが、これがあるとないとでは、音の響きが大きく変わってくる。特に低域は顕著で、部屋とスピーカのマッチングが抜群によくなる。

 バランスケーブルに変えて、もっとも変化が大きかったのはイコライザ周り。より解像感が上がり、ベールが1枚剥がされたようなクリア感が出てきた。バランス接続の凄さに圧倒される仕上がりになった。

 これで、2チャンネルのオーディオ周りは完全に最新に変わった。変わっていないのは、PCオーディオとして使っているPC「VAIO」のみ。現在の音は、弾力感、スピード感があり、より際立つのは音の定位感。ボーカルはセンター、右にベース、左側にギターといった、バンドの立ち位置が輪郭を伴い現れてくる。

ハイトスピーカ10本をフル活用して構築した「Auro-3D」

 2チャンネルのオーディオに加えて、サラウンド環境も一新した。この変化は「Auro-3D」の登場が大きい。Auro-3Dは、ベルギーのギャラクシースタジオが作ったイマーシブルサウンド。イマーシブルサウンドというと、「ドルビーアトモス」や「DTS:X」が日本では有名だが、開発は2006年と早く、海外では2010年にいち早く発表されたフォーマットだ。

 Auro-3Dがほかと違うのは、基本的にオーディオを対象にしたイマーシブルサウンドである点。そのほかのフォーマットが基本的に映画を対象にしているのに対し、音自身が192kHz/24bitのハイレゾクオリティを実現している。

 自宅のスピーカシステムは、3~4年前に刷新し、ドルビーアトモス用としてハイト(壁上部)に10本を設置しておいた。イマーシブ(3D)サラウンド用の配置としては5・1・2(平面のメインとサラウンドスピーカ5、サブウーファ1、天井スピーカ2)や5・1・4(同+天井スピーカ4)が一般的だが、その言い方では私の配置は5・1・10(同+ハイトスピーカ10)となる。これまで使用していたAVアンプはドルビーアトモス対応だったので、ハイトスピーカは最大に使っても4本。残りの6本をどうしようかと考えていた。

 こうした背景により、AVアンプも入れ替えることにした。AVアンプ選びのポイントはAuro-3Dに対応していること。3月に発売したマランツのAVアンプ「AV8805」も対応機ということで早速試聴した。

 マランツは、オーディオブランドのイメージが強かったが、現在日本はもちろん、米国でもAVアンプはヒット商品になっているとのこと。マランツの音のイメージは良くも悪くも端正だと思っていたが、確かにオーディオ・ビジュアルでも虚飾のない生成りの音は品格が高く、とても好みだと感じた。

 この生成りの音は非常に音を真面目にとらえているからこそ出せるもので、品位が高く、誠実さすら感じさせる。AVアンプは映画音の再生という目的上、どうしても派手な音作りに走る傾向にあるが、ハイレゾの登場など、音そのもののクオリティが上がっている現在は、生成りの音を出せることの重要性が高まっている。その音が気に入りAVアンプはマランツを選択した。

マランツのAVアンプ「AV8805」
マランツのAVアンプ「AV8805」

 システムもそろい、いよいよスピーカ10本を活用すべき時がきた。Auro-3Dのスピーカシステムは、5.1チャンネルのサラウンドスピーカ上方、高さ方向の音を再生するハイトスピーカを設置して構築する。それもスピーカのまさに上方に設置しなければならない。まずは5.1チャンネルシステムの前方左右2チャンネル、後方2チャンネルのスピーカの上方に、ハイト4チャンネル(ドルビーアトモス用には6チャンネル)を設置した。しかし、これでは6本が余ってしまう。

 そこで、1つのスピーカ端子を2つに分けるパラレル接続を試みた。フロントハイト、リアハイトのLRの4本分をそれぞれ2つにわけ、4本のスピーカから音を出した。これが大成功で、素晴らしい5・1・8(チャンネル数は5・1・4)のシステムができ上がった。このような接続では、スピーカインピーダンスのアンマッチが懸念されるが、実際的には問題ない。

 秘密はスピーカの向き。シングル配置ではリスニングポイントに対し、前方メインスピーカ用のハイトスピーカが横を向いているが、パラレル配置により生成されたファントム音像はダイレクトにリスニングポイントに向き、効果的に音が届く。Auro-3Dでは、メインスピーカに対し、ハイトスピーカを約30度の角度で設置することを推奨しているが、2つのスピーカを合わせた音は35度くらいの角度になっており、とても好適な位置関係が得られた。この構成によって、音に厚みを感じられ、質感が上がった。

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