55年ぶりの新たな大学制度「専門職大学」とは--HAL運営の日本教育財団に聞く - (page 2)

藤井涼 (編集部) 鈴木朋子2018年08月07日 08時00分
  • 一覧
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 現在、許可申請中で2019年4月に開校予定の国際工科専門職大学(仮称)では、3つのコースを設ける。「設立時には日本で唯一のテクノロジ分野の専門職大学になるため、日本の強みを精一杯アピールできる学びにしたかった」と辻本氏は述べる。

 1つ目の「先端情報工学科」は、AI、IoT、ロボットのそれぞれにコースがあり、ITと人の共創・共生を実現するデザインエンジニアを育てる。「大学だと研究になる分野だが、私たちはいかに社会に役立てるかという応用、利活用に重点を置いている」(辻本氏)。

キャプション
キャプション
「先端情報工学科」のイメージ

 2つ目の「デジタルエンタテインメント学科」は、ゲームプロデュースとCGアニメーションのコースがあり、クリエイターやプロデューサーを育てる学科だ。「クールジャパンとして日本が誇る産業のひとつだ。だが、収益が上げられていないなど弱点があるため、大きな産業の変化があるだろう。そこで、こちらにも人材輩出があると考えた」(辻本氏)。

キャプション
キャプション
「デジタルエンタテインメント学科」のイメージ

 3つ目の「カーデザイン学科」は車のデザインとスタイルに特化した学科で、自動車産業での論理的思考とデザイン的思考を身につけるインダストリアルデザイナーを育成する。「EV(電気自動車)や自動運転など、日本の産業として大きな産業変化が起こるだろうと考えている分野なので、そこへの人材輩出を目的に設置した」(辻本氏)。

キャプション
キャプション
「カーデザイン学科」のイメージ

 それぞれの学科の講師陣は、ほぼ専門学校の教員以外で新規採用している。専門学校では、実務を4〜5年経験した若手の教員が多いのに対し、専門職大学では各分野での実務経験が豊富な実務家教員を多く採用するという。

 グローバルに活躍できる生徒を輩出するために、海外の企業でインターンシップができる制度も用意する。辻本氏は、「英語教育の授業時間数は一般的な文系の大学並みだが、仕事の現場でもっとも必要なコミュニケーションを中心とした英語や技術英語を学べる」と、大学で行われる語学学習との違いを語る。

 また、「完全就職保証制度」「国家資格合格保証制度」「生涯バックアップシステム」という3大保証制度を用意していることも特徴だ。新卒の就職先を保証するだけでなく、もし転職したいということであれば、転職先の企業を紹介する手厚い制度だ。「大学は卒業で社会へ放り出すイメージだが、われわれは就職をさせて社会へ送り出す。就職できないということはあってはならない」(辻本氏)。

テクノロジのわかる社長を育てたい

 辻本氏は、同専門職大学の学長予定者である吉川弘之氏と、学校の指針について語り合ったという。「吉川さんとは学生たちに明るい進路を見せてあげたいと話している。わかりやすく言うなら、技術のわかる社長を育てたい。世界の億万長者にはテクノロジ分野の社長がいる。テクノロジを学んだ人が会社を興して、その規模になっている。本校では、経営論などビジネスの観点から重要な科目を上級学年に配置している。これは理系の大学にはない強みだ。社会問題の解決をビジネスとして組み立てられる力を養ってほしい。何かを成し遂げたいと目的意識を持っている人に入学してもらいたい」(辻本氏)。

 国際工科専門職大学(仮称)の募集人数は東京、大阪、名古屋の3校で500名ほど。学費は、東京工科学部が入学金30万円、初年度学費138〜146万円、大阪工科学部が入学金28万円、初年度学費136〜144万円、名古屋工科学部が入学金25万円、初年度学費134〜142万円。これ以外に、学科ごとに異なる教材費などが必要となる。3校とも大学説明会を開催しているので、詳細はウェブサイトで確認してほしい。

 また、そのほかの専門職大学については、文部科学省の「平成29年11月末申請の大学等の設置認可の諮問について」に公開されている「平成31年度開設予定大学等認可申請一覧(平成29年12月) 」で確認することが可能だ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]