環境、仕事、そして人。自分の回りの状況は常に変化しているため、柔軟な適応力が必要だと感じている人も多いだろう。身体や精神を鍛えて柔軟性を身につけるというのは、すぐにできることではなく、なかなか難しいが、本を読んで、あるいは人から学んで知識や教養を身につけることは、それほど難しいことではない。
学び続けることで、知識の地盤を固めたり刷新したりすることができ、より適応力や応用力のある自分になれるのではないか。今回は、この暑い夏にも学び続ける人の力になると思われる本を、5冊紹介する。
まずは、基本的な学び方の本から。本書は法学部の学生向けではあるが、学び方そのものは法学部に限らず、どの分野にも置き換えられる。冒頭には、本書の読み方についても詳しい説明があるので、「自分の場合」に置き換えやすい。
何より、「学び方」そのものを懇切丁寧に教えてくれる先生に出会う確率は低く、どうすればいいのか分からないまま「なんとなく」勉強して学校を卒業してしまったという人は少なくないはずだ。そういう意味で、本書で教えてくれる学び方は、正解のない問いに対するアプローチ方法を始めとして、現役の大学生はもちろんのこと、社会人にも必要な知識と言える。特に、独学でやり直しの勉強を始めようとしている人にお勧めだ。
こちらは、バリバリの社会人向けの学び方の本だ。しかも「独学法」とタイトルにあるように、独学しようとしている人、あるいは、何かを学びたいが、学校などに通った方が良いのか迷っている人へのアドバイスが詰まった1冊だ。本書の冒頭に、「独学では、知りたいことを積極的に求める」とあり、知りたいことに絞ってどんどん学んでいける独学の良さを説いている。
ただ、盲目的に独学を推奨しているわけではなく、そのデメリットも挙げている。たとえば、途中でやめてしまいがちであるとか、カリキュラムを自分で作らなければならないなど。もちろん、そうしたデメリットの解消法も指南してくれる。また、英語の勉強の仕方については、一章を丸々割いて、現代的な方法を駆使した学び方を解説している。特にモチベーションを保つ方法を知りたい人に役立つだろう。
学び続けるものと言えばやはり、英語は外せない。英語の学習法に関する本は選びようもないほどたくさんあるが、「英語学習を続けていく」という意味では、多読はもはや必須ではなかろうか。内容が自分の仕事に関係あれば、すぐに仕事に役立って楽しくなるし、ファンタジーなら、英語で未知の世界に旅立てて楽しい。自分の好きな内容の本を読むのだから、とても楽しくわくわくすることであり、楽しいから続く。結果的に英語力も伸びる。
本書では、今から多読を始める人から、ある程度読んできた人にまで役立つ、多読の楽しみ方が満載だ。いろいろと不安に思うことへも、Q&A形式で回答がなされており、1人でも本書を使って多読に挑戦できる。
こちらは、よく、ある英語学習本とも多読本とも違うアプローチで、英語力を一段アップさせてくれる方法を教えてくれる。それが、「朗読」だ。英語の「音読」というのは、聞いたことがある人も多いだろう。しかし、「朗読」となると難しさが数倍もアップする。日本語でも、「朗読」に親しんでいる人は少ないと思われるが、それを英語でとなると、躊躇してしまうのも無理はない。
しかし、簡単な素材でやってみるとわかるのだが、自分では「理解している」と思っていた文章でも、相手に意味が伝わるように読もうとすると、曖昧にしか分かっていなかったことや、間違った意味で捉えていたということが分かったりするのだ。また、単なる音読に比べて、伝えようとする朗読は、単調な練習にはならず、飽きない。多読した素材を朗読するというのもいい(口は疲れるが)。
最後に紹介する本書は、唐突に思えるかもしれない。だが筆者は、自分が独学でもなんでも学び続けていく時に最も重要なことは、「余計なことに時間、気力、体力を奪われないようにすること」だと考えている。不毛な人間関係に疲弊するような毎日では、そもそも「勉強しよう」などという気が起こらない。仕事や日常生活の諸々を行なってもなお気力と体力があり、余計な心配ごとがない状態にあってこそ、勉強に身が入る。
心配ごとというのは人によってさまざまではあるが、理解し難い人というのは、往々にして自分の勉強のジャマもしてくるので、自分で解決出来そうなこのような問題については、早々に対処してスッキリしたいものだ。
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