スキルアップから会議の仕方まで--年末年始に読んでおきたいビジネス書5冊

 2017年は、働き方の多様化がますます進んでいるように感じられた。紹介した本も、最新技術を紹介するものから、個人のスキルアップや習慣化をはかるもの、新しいものの見方を教えてくれるものなど、他分野にわたっていた。個人的にも、これらの本からさまざまな考え方を学べた。今回は1年を総括する意味で、この2017年にとても印象に残り、改めてお勧めしたい本を5冊紹介する。

働き方を見つめなおす--「『自分』の生産性をあげる働き方」


「『自分』の生産性をあげる働き方」

 まずは、自分の働き方を見つめ直すきっかけとなった本から。「『自分』の生産性をあげる」とあるが、単に時短や効率化を図ったりするだけの小技を教えてくれるようなものではなく、自分自身の考え方やあり方、周りとの関係性などについてじっくり考える機会を持たせてくれる。そして、どのように変化すると良いのか、その方向を羅針盤のように示してくれるのだ。

 「今いる場所で踏みとどまるための力を付けるため」「新しい場所に向かう力を得るため」「新しい場所に適応するため」、いずれの場合にも役立つアドバイスが満載だ。直接、このような相談にのってくれる人を探すのはなかなか難しいが、本書を読むことで、適格なアドバイスが得られるだろう。

プレゼン力を身につける--「ベストプレゼンテーション」


「ベストプレゼンテーション」

 次は、何かと「プレゼンテーション」することの多い人に、実用的なトレーニングプログラムを提供してくれる本だ。本書は「プレゼンテーション」と名の付く本にありがちな、単に「スライド」の作り方を説明する本ではない。スライドについても話はあるが、それはあくまでも「スライドの使い方」についてであって、スライドの作り方についての話はほとんどない。

 それよりも重要なことは、何をどのように話すのが効果的か、質問者に対してどのように対応するのが正解かなど、実践で役立つアドバイスが次々と繰り出される。アドバイスは、スライドを使うようなプレゼン以外の場でも役立つものばかりだ。たとえば、転職の面接など、自分自身を売り込むような場合などにも応用できる。本書は、プレゼン力という汎用的なスキルを身につけるのに最適だ。

会議に新たな視線を取り入れる--「Graphic Recorder」


「Graphic Recorder」

 これはまた、少々新しい視点を取り入れるに有効な本だ。会議などで複数人で議論中、全員の認識を確認し合い、より議論を活発化させるために、議論の中身を図や絵で表す「グラフィックレコーディング」という手法を紹介している。グラフィックレコーディングの目的を明確にすると共に、活用例も豊富に紹介されているので、イメージをつかみやすい。

 一朝一夕で身につく技術ではないが、本書では「まずは自分のノート」で、短い文章をグラフィックかするところから始めて、徐々に活用の場を広げていくよう、トレーニング方法を教えてくれるほか、簡単な線で書けるイラスト(と言っても難しいものではない)も掲載されているので、誰でも「ちょっとやってみようかな」と思える。

実践で役立つ英語学習法--「仕事の英語」


「仕事の英語」

 英語力についても、無視できない話になってきている。今は日本語だけで仕事ができているという人でも、明日にも英語が必要になるかもしれない。また、英語で意思疎通ができるということは、あらゆる選択肢の幅が広がるということでもある。そのような状況を踏まえて、実践で役立つ英語学習法を教えてくれるのが本書だ。

 本書では、とにかく「仕事の英語」に特化した勉強を勧めている。すぐに使える単語や表現の説明もあるが、それよりも、「自分の仕事」に合わせた勉強方法を教えてくれる点が重要だ。自分の仕事に必要な単語や表現は、自分にしか分からない。例文を見たら、自分の職務や自社製品に置き換えて、どんどん覚えていけば、仕事で英語を使う分には困らない自分に、最速でなれる。

仕事の息抜きにもぜひ--「会議でスマートに見せる100の方法」


「会議でスマートに見せる100の方法」

 最後は、何度読んでもクスッと笑える本だ。仕事の息抜きにぜひともお勧めしたい。本書は、仕事で「スマートに見せる」ための方法を100個提示しており、仕事で「スマートにふるまう」ための本ではない。誰でも、「こいつはデキるやつだ」と思われたい(はずだ)。そんなときに役立つ(だろう)ヒントの数々は、どれもこれも、一瞬目が点になるほどあきれてしまうのだが、言われてみると、自分もすでにやっているかもしれない、あるいは「こういう人いるいる」と思わせるものばかりだ。

 たとえば、「反論しようのない、あたりまえのことを言う」ことや、「なんでもかんでも「ここだけの話」と言う」など。ここだけの話、本当は、この本のことを誰にも教えたくない。なぜなら、自分のやっていることがバレてしまうから……。

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