Alexaの方がGoogleアシスタントよりスキルも対応デバイスも多いが、Googleの「Duplex」のような機能はない。Duplexは、レストランなどに電話して、ユーザーに代わって予約などのタスクをこなす。Duplexの話し方は人間のように自然だ。まだ聞いたことがなければ、デモ動画のチェックをお勧めする。
GoogleはDuplexを時間をかけて実用化していく計画だ。人間に電話をかけて相手に人間だと思わせることができるロボットは、様々な倫理的問題を引き起こす可能性があるからだ。Googleは、Duplexは電話する際、自分がロボットであることを自己申告するとしている。
Duplexはまた、われわれが望むかどうかは別として、デジタルアシスタントは人々が思っているよりも自然で人間的な方法で人と接することを示している。Duplexは、Amazonが追従しにくいGoogleアシスタントの大きな飛躍でもある。
Alexaは今のところ、Googleアシスタントより多くのデバイスに搭載されているが、間もなく登場するGoogleのスマートディスプレイはGoogleがAmazonに追い付く助けになりそうだ。Googleはスマートディスプレイを自社ブランドで出そうとせずに、Lenovo、LG、JBL、ソニーと提携した。Googleはユーザーに選択肢を提供したいのだ。Googleアシスタント担当製品管理ディレクターのGummi Hafsteinsson氏はCESで、少なくともスマートディスプレイに関しては、Googleは「ユーザーが欲しいものを選べるよう、ユーザーにとって理にかなう方法で販売する」と強調した。
GoogleのスマートディスプレイはAmazonの「Echo Show」と競合するだろう。Echo Showは、スマートスピーカと同様に音声で話しかけると、画面に返事を表示したり、その画面で動画を視聴したりテレビ電話を使ったりできるデバイスだ。
Echo Showの画面はもっと便利な使い方ができるはずだ。GoogleのスマートディスプレイはYouTubeに対応することで一歩リードできるかもしれない。Googleは2017年、Amazonとの競争が加熱する中、Echo ShowからYouTubeを引き上げた。
スマートディスプレイは、Googleの大規模な開発者コミュニティーに独自デバイスを開発させるための賢いロードマップを提供するものでもある。スマートディスプレイの開発には「Android Things」を使う。これは、GoogleのモバイルOSのスマートデバイス向け縮小版だ。Googleのスマートディスプレイは開発者に対し、Android Thingsの可能性を示す。また、Android Thingsのスターターキットは誰でも購入可能なので、興味を持った人は次の目玉製品開発を狙える。
今のところAlexaにはGoogleアシスタントより多様性があるが、Amazonはこのポジションに安住していない。同社は2018年に入り、スマートドアベルを手掛ける新興企業のRingを買収した。さらに、Alexaに新たなカレンダーとの連携機能が追加され、Alexaのコンテキストの理解力を高めることで補足的な質問にも対応できるようになった。Ringの買収により、AmazonはGoogleとNestのコンビに対抗する。Googleアシスタントは既にGoogleカレンダーと連携しており、コンテキストを理解する。
AmazonのAlexaもGoogleアシスタントも、物珍しさは減っているだろう。結局、2018年はいずれのアシスタントにとっても新たな地平を目指す段階であり、両社は実際に音声サービスの限界を越えようとしている。間もなくホテルの部屋でAlexaに話しかけられるようになり、電話の相手がGoogleアシスタントになるかもしれない。2つのアシスタントはより賢くなり、より遍在化していく。今はまだ至るところにあるとは言えないが、ゴールに向かっていることは確かだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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