人工知能(AI)を活用したある調査によると、主要テクノロジ企業のプライバシーポリシーには、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)への遵守に関して問題点があるという。Bloombergが報じた。
欧州大学院の研究者らと欧州消費者機構(BEUC)はAIソフトウェアを開発し、EUの新たなデータプライバシー法であるGDPRが施行された翌月の6月に、Alphabet(Googleの親会社)、Amazon.com、Facebookなどを含む主要テクノロジ企業14社のプライバシーポリシーを調査した。
同調査ではこのAIツールを「Claudette」と名付けた。自動化された「CLAUse DETectEr(条項検出機能)」を表す略語だという。主要テクノロジ企業のポリシーが、このAIによるスキャンにかけられた。
その結果、ポリシー内の条項の3分の1以上は「潜在的問題がある」か「情報不足」と判断され、ポリシーの文章の11%には不明瞭な表現が検出されたと研究チームは述べている。
調査ではさらに、一部のポリシーは当該企業がデータを共有できるサードパーティーを明示していないことが分かったという。
今回の調査結果では、具体的にどの企業のポリシーがGDPRに違反しているのかは明らかにされていない。Bloombergによると、これは分析対象のすべてのポリシーを集約した結果だからだという。
ソフトウェアによる調査結果は出たものの、研究チームは自動スキャンの結果が「100%正確ではない」ことを認めている。Claudetteがトレーニングしたポリシーの数が少数であるためだという。
Googleは、同社のポリシーは規制に準拠していると述べた。また、同社がGDPR施行に伴い改定したプライバシーポリシーは、ユーザー情報の収集や処理の手法を拡張したり変更したりするものではないと強調した。
Facebookは、GDPRの要件を満たすため懸命に取り組んでいると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」