女性に対して、ソーシャルメディアをやめるように、あるいは電話番号を変えるか電源を切るようにと伝えるのは簡単だ。
だが、最前線で働く人によれば、これも「被害者にも非がある」とする被害者非難の一種にすぎないという。このようにするのは、被害者にデジタルライフを完全に諦めさせることになるだけでなく、有害無益でもある。
「多くの場合、暴力をふるうパートナーは女性を友人や家族から引き離そうとする。ソーシャルメディアが、DVに関する専門家から情報やサポート、リソースを得られる唯一の手段ということも少なくないし、人とつながることができる唯一の方法になっていることも多い」、とMaguire氏は話す。
「社会とのつながりやサポートは、女性が実際に暴力的な関係から逃れるための最大の要素の1つになっている」(Maguire氏)
Al-Alosi氏も同じ意見だ。
「そういうやり方では、結局のところ、女性たちをテクノロジから締め出し、テクノロジを男性上位の世界にしてしまう。一番の問題は、誰に責任があるのか、という点だ」(Al-Alosi氏)
だが、テクノロジは悪用されるだけではなく、解決策ももたらしている。
(Maguire氏がCEOを務めている)Domestic Violence Resource Centre Victoriaが開発した「SmartSafe」というアプリも、そのひとつだ。女性が自分の体験を記録しておき、暴力をふるうパートナーから逃れて、虐待加害者を訴えることを支援してくれる。
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