宇宙飛行士、開発者、科学者、古生物学者・・・そして今度はロボットエンジニア。今のバービーは、サーフボードよりもコンピュータにハマっている。
Barbie(バービー)の最新版にあたる「Robotics Engineer Barbie」が米大手玩具メーカーMattelから先ごろ発売された。オリジナルの登場から59年目を迎えるこの人形の最新版には、保護メガネ、ラップトップ(しかも画面にはコーディング中のウィンドウが開かれている)、そして小さなロボットのアクセサリももちろん付いている。値段は約13.99米ドル(約1500円)で、肌の色の異なる4つのタイプが用意されている。米国時間6月26日にオンラインのBarbie StoreとAmazon.comで発売された。
バービーはこれまでに200近い職業の女性に扮してきたが、コンピューターサイエンスにフォーカスした職業は今回が3度目。ただ今度のバービーはこれまでとはちょっと違う。コーディングのコンセプトが学べる子供向けのワークブックや、プログラミング学習サイトTynker.comの専用ページも用意されているのだ。
玩具業界では昨今、科学(Science)/技術(Technology)/エンジニアリング(Engineering)/数学(Math)に関するさまざまなコンセプトを探求するよう子供たちに働きかける、STEM教育玩具への需要が高まっており、こうした玩具のサブスクリプション・ボックス(定額料金で毎月新しい教育玩具を入手できるサービス)を提供する業者も増えている。こうしたなか、新しいバービーには科学教育的な要素がこれまで以上に盛り込まれている。
バービーは単なる人形ではない。誰もが知っているこの玩具は、過去何十年にもわたって、その時代の文化や私たちの抱く願望を捉えてきた。たとえば1960年代には、人類が月面に降り立つ前に宇宙飛行士のバービーが登場した。70年代にはスキー選手として五輪に出場し金メダルを獲得。80年代にはロックスターになった。そして90年代に入ると、軍兵士やプロスポーツ選手、企業の経営幹部、人気ラッパーといった設定のバービーも登場した。
ほかにも何度か大統領選に立候補し、リアリティTVのスターを務めたこともある。そしてここ10年ほどは、コンピュータプログラマー、テレビゲーム開発者、科学者、古生物学者の設定で登場し、火星探査船の乗組員になったことにあった。
STEM分野の職業にフォーカスしたバービーで遊んだ女の子たちがこうした仕事に関心をもってもらうことで、Mattelは未来を切り拓く存在になるかもしれない。STEM系の職業は女性の少ない分野だ。National Center for Women and Information Technologyがまとめた過去2年のデータにそのことがはっきりと表れている。データによると、コンピュータ分野の就業者全体に占める女性の割合は26%、コンピュータサイエンスの学士号取得者に占める女性の割合は19%、そして、Fortune 500に名を連ねる大企業で女性が最高情報責任者(CIO)を務める企業の割合は17%に過ぎなかった。
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