Mattelの最高技術責任者(CTO)を務めるSven Gerjets氏は「どうすればもっと多くの女性に、エンジニアリングやSTEM、テクニカルスキルに関心をもってもらえるか、私たちはつねに抱えている」と述べる。「私たちの答えは『女性にきっかけをあげよう、この分野の仕事ができることを女性に知らせよう、最初の一歩を踏み出すためのステップを用意しよう』というものだった。STEM分野の仕事は非常に重要なので、彼女たちが少しずつ学ぶのを見守りたい。そして将来、彼女たちにこうした仕事に就いてもらいたい」(Gerjets氏)
MattelはTynker.comと提携し、無料でコーディングを習えるオンラインコースを設けている。このコースの主役が新たに登場したロボットエンジニアのバービーだ。このコースのチュートリアルでは、パズルの形をしたコマンドを組み合わせることでコンピュータの画面上でロボットを動かす方法を教える。これはTynkerによるHour of Code(コードの時間)の最新のメニューであり、就学前の子供たちでも使えるように設計されている。
Mattelはまた「Code Camp for Barbie and Friends」という電子書籍のワークブックも7.99ドル(約890円)で用意している。このワークブックは、コーディングが日常生活や、さまざまな職業での問題解決にどう関わっているかを子供たちに示し、プログラミングに関する概念を教えるというものだ。
このワークブックは、以前に発売されたバービーのコンピュータサイエンス関連書籍に比べて非常に大きな改善といえる。2010年に発売された「I Can Be a Computer Engineer」という絵本をめぐっては、インターネット上で激しい批判の声があがった。この絵本でバービーは、コーディングは男の子たちにしてもらう必要があると言い、ウイルスに感染したコンピュータを元に戻すのにも男の子の手を借りる必要があった。これはバービーにとって望ましい姿ではなく、Mattelは謝罪に追い込まれた。
バービーは2016年にゲーム開発者として再びコーディングに挑戦した。そして今回はロボットをプログラミングしている。もっともバービーが技術職に就くのはこれが最後ではないだろう。MattelはSTEM分野の仕事をするバービーが今後も登場する可能性があると述べている。そして、おそらくそれに付随する教育目的の活動もさらに発表されることだろう。
「小さな女の子たちに、これまで女性にはできないと考えられてきたことでも本当はできるのだと信じてもらうこと。私たちは、そのきっかけ作りを大事にしてきた」とGerjets氏は述べている。「今回違うのは、この仕事につながるステップをいくつか用意し、夢の実現までの距離を縮めようとしていることだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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