ユーザーに代わって店舗に電話をかけ、まるで人間であるかのように電話の相手と会話を進めながら予約を入れることまでできる、音声AIのソフトウェア「Google Duplex」の取り組みが前進した。
Googleは米国時間6月27日、Google Duplexのパブリックテストを開始すると述べた。Google Duplexが5月に発表された際には、本物の人間そっくりに話すAIアシスタントであることから、倫理やプライバシーの問題を不安視する声が湧き起こった。
Googleは、「信頼できるテスター」と、Google Duplexからの電話を受けることに同意した企業で構成される小規模グループで、パブリックテストを開始すると述べている。「今後数週間」は、7月4日の独立記念日の開店/閉店時間など、営業時間を企業に問い合わせることに使用が限定されるという。レストランやヘアサロンに予約を入れられるようになるのは、「2018年夏」からだという。
Googleは26日、カリフォルニア州マウンテンビューの本社から約4km離れた小さなイスラエルレストランOren's Hummus Shopに報道関係者らを招待し、プロジェクト初のライブデモを披露した。また報道関係者らにも試用の機会が与えられた(ただし、デモのビデオ撮影は禁止されていた。前日にはニューヨーク市のタイレストランでも、類似の報道陣向けイベントが開かれていた)。
普段耳にする、音声アシスタントのロボットに近い音声とは異なり、Duplexは驚くほど人間そっくりに会話する。「uh」や「um」(「あのー」や「えっと」)といった間投詞を交えて、人間の会話を模倣する。
そのため、Google Duplexの発表当時、本物の人間そっくりに話すAIが相手に自分の正体を明かすべきか、またどのように明かすべきかについて、多くの議論が巻き起こった。Googleは5月、Google Duplexの発表から数日のうちに情報開示機能を搭載する意向を明らかにした。
Googleは27日、Google DuplexがAIであることを電話の相手に伝える具体的な方法を明らかにした。電話に出た相手に挨拶をした後、Duplexは続けて「私はGoogle Assistantです。クライアントに代わって予約を入れるために電話しました。この自動通話は録音されています」と自らの正体を名乗る(自らを名乗るための具体的な言葉は、披露されたデモによって少しずつ異なっていた)。
同社は、開示が「法律上求められる州では」、通話が記録されることを相手に通知すると述べている。
Googleは、報道陣に対しても、Google Duplexからの模擬電話を受ける機会を設けた。われわれがOren's Hummus Shopの店員となり、予約を受けつけるという設定だ。
Google Assistantからの電話を受けていると、気味の悪さと納得感が同居する。このソフトウェアの柔軟性には感銘を受ける一方で、イントネーションがあまりに自然なので、このソフトウェアと話をしてると不安を覚えた。おそらく1ミリ秒ほどの微妙な違いなのだが、不自然な間が開いて、会話の調子が狂うこともある。
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