それでも「こちらはGoogle Assistantです」と、通話相手が人間でないことを明かされると、納得する部分はあった。
筆者はGoogle Duplexとの3分間の会話の中で、このソフトウェアにできるだけ失敗をさせることを目指した。Google Duplexから言われた名前、日付などの予約に必要な情報を書き留めつつ、とりとめもない話題を振るようにした。スポーツのスコアを尋ねたところ、「自分はGoogle Assistantで、予約が目的で電話した」とのセリフを繰り返すばかりだった。
さらに筆者は、人間と話ができるか質問してみた。
すると、Googleのコールセンターの係員に通話を転送してくれた。係員には私との通話ログが送られていて、その係員が予約を確認して通話が終わった。
Google Assistantの製品およびデザイン担当バイスプレジデントであるNick Fox氏は6月26日、これまでにステージで披露したデモは、デモ用に編集されたものではなく、Google Assistantが実際に行っている会話である点を強調した。ただし、レストランの名前や通話者の電話番号といった個人情報を削除する編集は行われているという。また同氏は、Duplexによる通話の5件中4件は完全に自動で対処できるものだと語った。
なかには、Google Duplexそのものについて、その開発意図を批判する声もある。Googleに人をだますつもりがないと言うのなら、そもそもなぜ人間のように話すソフトウェアを開発するのか?というわけだ。
この疑問について、Google Assistantのエンジニアリング担当バイスプレジデントのScott Huffman氏は、AIが人間のように話せば、通話相手の人間が電話を切らずに、より長い間AIと対話するようになるからだと説明した。同氏は「あのー」や「えっと」などは間を埋める以上の役割を果たすと述べる。例えば、これらの言葉により、自分がまだ電話口にいることを通話相手に知らせたり、通話相手が予約の際に間違えたことを言った場合に「えっと」と言うことで、少しは礼儀正しく言い直しを求めることができるとHuffman氏は述べる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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