WeWorkは、日本の「働き方改革」をワークスペースの観点からサポートしている。2017年7月に、ソフトバンクとの合弁会社としてWeWork Japanを設立し、日本に上陸。2018年2月には初拠点がオープンした。現在銀座、新橋、六本木、丸の内に4拠点にコワーキングスペースを展開。7月に日比谷、8月に神宮前にオープンし、今後は大阪、福岡、横浜などへも拠点開設を進める計画だ。
「私たちが提供するのはコワーキングスペースではなく、世界最大のメンバー数を誇るコミュニティ」とし、ワークスペースを起点としたオープンイノベーションを推進する、米国発のシェアリングオフィスWeWork。日本でCEOを務めるCHRIS HILL(クリス・ヒル)氏に、日本の働き方改革におけるWeWorkの役割や、全世界で共有しているというオフィス造りなどについて話しを聞いた。
――開放的で明るいスペース。WeWorkのワークスペースは、日本の従来型オフィスとは全く異なる空間に仕上がっていますね。
私たちが提供するオフィスは、テーブルの高さからソファを置く位置まで、すべてデータに基づいて設計しています。各データは、全世界に約6000人いるWeWorkのスタッフの動き方、設備の使い方によって集積、分析されていて、ガラスを多用しているのは、明るい空間だとコミュニケーションが生まれやすくなるため。また廊下の幅は、通常よりもほんの少し狭くして、すれ違う時に挨拶をしやすくしています。コラボレーションとオープンイノベーションを生み出す場所として、コミュニケーションがしやすい環境を日々突き詰めています。
WeWorkは、グローバルで25万人の会員を抱え、この数は毎月増えています。現在展開しているのは、世界22カ国74都市。使用しているワークスペースの面積は約1500万平方フィートになり、大体250のビルを専用している計算になります。
日本においては、2月以降に銀座、丸の内、六本木、新橋にワークスペースを開設していて、2018年夏中に、日比谷と神宮前に新拠点を開設予定です。
――2017年に日本に上陸した際は、ワークスペースを提供するオーナーなのか、それともシェアリングオフィスなのか、WeWorkが日本で何をやるのかわからず、不安を覚えた不動産関係者もいたと思います。実際のところは。
ワークスペースのグローバルネットワークを築こうとしている、というのが答えです。日本においては、多くのビルオーナー、ディベロッパーの方と提携し、日本におけるネットワークをさらに広げていこうと考えています。一方で外資系企業を日本に誘致したいとも思っていて、私たちの活動が日本でさらに広がってくると、より多くの外資系企業が日本にオフィスを構えるケースが増えると思っています。
――かなりスピード感を持って展開されていますが、日本は、中国に比べ参入が遅れました。この理由を教えてください。
各国への参入タイミングは意図的にコントロールしています。特にアジア地域は、各国にある企業とパートナーシップを通じて参入しています。日本においても、適切なパートナーが現れるまでは参入しないと決めていました。
2017年のタイミングでソフトバンクと提携する機会が訪れ、ここで参入を決めました。孫(ソフトバンク 取締役会長の孫正義氏)さんとアダム(WeWorkの創業者のアダム・ニューマン氏)は、今世界はすごいスピードで変革しているという認識を共有していて、お互いにシナジーがあることはわかっていました。とても適切なパートナーに恵まれたと思っています。
両社は50対50の関係を築いています。ソフトバンクはビルオーナーに非常に有益なつながりをもっていますし、現在の急成長もサポートしてくれています。WeWorkのオフィス内にソフトバンクのオフィスの一部を設けていただいていますし、人材も派遣してくれています。積極的ですばらしいパートナーです。
――WeWorkとパートナーシップを組みたいと思っていた不動産関連会社は数多くあったと思います。ソフトバンクと組まれたのは、不動産の範疇を超えた展開を見据えているからですか。
パートナーシップはできる限り多く作っていくスタンスですから、限定はしていません。現時点では、ユーザー数の伸びによる、スペース不足が懸念されており、不動産オーナーとデベロッパーの支援が必要だと感じています。また国内外の多くの企業がWeWorkの会員として、ワークスペースを活用しており、メンバーシップを結んでいます。米フォーチュン誌が発表している「フォーチュン500」の企業のうち、22%が入っている状況です。スタートアップやフリーランスの方の働く場所としてはもちろん、大手企業の方々にも活用してもらえる場所がWeWorkです。
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