アップル、酸素を放出するクリーンなアルミニウム生産開発を支援

 Appleは5月11日、アルミニウムメーカーのアルコア・コーポレーションとリオ・ティント・アルミニウム、カナダ政府、ケベック州政府とパートナーシップを組み、合同で総額1億4400万ドルを将来の研究開発のために投資すると発表した。

 「Appleは、地球にとって良い技術、今後何世代にもわたって地球を保護するのに役立つ技術を前進させることに取り組んでいる。私たちは、この野心的な新プロジェクトの一翼を担うことに誇りを持っており、将来的に温室効果ガスの直接排出を伴わない製法で作られたアルミニウムを私たちの製品の製造に使うことができるようになることを期待している」と、AppleのCEO(最高経営責任者)ティム・クック氏はコメントしている。

世界で初めてカーボンフリーな精練工程で作られたアルミニウム
世界で初めてカーボンフリーな精練工程で作られたアルミニウム

 アルコア・コーポレーションとリオ・ティント・アルミニウムは、アルミニウム生産の主要な工程である従来の製錬工程から温室効果ガスの直接排出をなくす特許技術を商業化するジョイントベンチャー「エリシス(Elysis)」を設立している。

 アルミニウムは、1886年にアルコアの創業者チャールズ・ホール氏が開発したのと同じ方法で今日まで大量生産されているが、この製法は、アルミナ(酸化アルミニウム)に強い電流を流して酸素を取り除く。今日、最大手の製錬業者が採用している方法でも、工程中に炭素材料を使うため、それが温室効果ガスを生み出しているという。

新しいアルミニウム生産方法は、製錬工程で温室効果ガスではなく酸素を放出する
新しいアルミニウム生産方法は、製錬工程で温室効果ガスではなく酸素を放出する

 そうした中、アルコアは炭素の代わりに先進的な伝導材料を使うまったく新しい工程を開発。この工程では二酸化炭素ではなく酸素が放出されるという。早期の実用化に向けて、パートナーを必要としていた。それに対し、Appleの事業開発を担当でよりクリーンで優れたアルミニウムの大量生産方法の研究を行っている3人がリオ・ティントに声をかけ、協力関係がスタート。アルコアとのジョイントベンチャー設立に至ったという。

 エリシスは、より大きなスケールでの生産と商業化に向けてこの技術をさらに発展させ、2024年にはパッケージの販売を開始する計画だ。Appleも技術支援の提供を続けるという。ピッグバーグ郊外のアルコアテクニカルセンターではすでに特許出願中の技術が使われており、このプロジェクトは米国内で3000万ドル以上を投資する予定としている。

 この新製法の開発が完成し実用化されると、世界中の製錬工程から温室効果ガスの直接排出がなくなり、カナダと米国のアルミニウムおよび製造業の密接な協力関係がさらに強化されるとしている。

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