9歳になる筆者の子供は、中学生の間に仮想現実(VR)プロジェクトを開発し始めるようになるのだろうか。Googleの「Tour Creator」の機能を見て、その可能性は高いと思った。Tour Creatorは、2018年のGoogle I/Oカンファレンスで教育市場向けにサプライズ発表されたもので、これまでの教育用VRの取り組みとは異なり、VRを作成するためのツールとなっている。
Tour Creatorは、360度写真をつなぎ合わせて、VR対応でクリック操作可能な、注釈とナレーション付きガイドを簡単に作成できるようにすることを目的としている。「ただのスライドショーではない」と、GoogleのVRおよび拡張現実(AR)担当バイスプレジデントで「Daydream」を統括するClay Bavor氏は述べた。「ナレーション、インタラクティブなオーバーレイ、追加の拡大写真を、エクスペリエンスの一環として挿入することができる」(同氏)
Tour Creatorはウェブベースのツールで、デスクトップPCのブラウザを使ってツアーエクスペリエンスを作成し、Googleの3Dコンテンツポータルである「Poly」に公開するもの。360度写真に注釈を入れたり、拡大写真を添えたり、クリックできるエリアを作成したりできる。360度写真がない場合は、「Googleストリートビュー」の360度画像を利用できる。Polyに公開されたものは、ブラウザのリンクを開くか、VRヘッドセット「Cardboard」などで体験できる。
ペンシルベニア州ランカスターとイリノイ州シカゴにある2つの高校と、インドネシアのバリの学校を含む複数の学校が既に、Tour Creatorを試用している。このツールキットは企業や他のあらゆる組織や人々も対象にしている。
「複数の不動産会社と協力して、Tour Creatorを使って家の中を歩き回る疑似体験が可能なVRを作成している」とBavor氏は述べた。「さらに興味深い応用例の1つがKLM Airlinesのもので、同社はTour Creatorを使って、さまざまな航空機内で新入社員を教育するための一連のツアーを構築している」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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