法人向けオンライン資金調達プラットフォームを提供するエメラダは5月23日、オンライン・レンディング「エメラダ・バンク」をリリースした。
エメラダ・バンクは、中小企業を対象としたオンラインレンディングサービス。一般的な銀行やレンディングサービスと異なり、決算書だけでなく、銀行口座の入出金情報、直近期末以後の事業進捗、オンライン上の定性情報を事前分析することで、高精度の与信モデルを確立。特定の会計ソフトに依存しないため誰でも利用できるほか、新業態でもスピーディな審査が可能という。借入額は、500万〜5000万円(金利2~15%)で、ビジネスローンや他のレンディングサービスよりも高く設定されている。
借入申請から契約締結まですべてオンラインで実施する。PC・スマートフォンから、会社情報、個人情報、決算書類などの情報を記入することで借入申請は完了。その後のコミュニケーションもチャット機能やビデオ通話で対応するほか、電子サインを採用することで印鑑証明書や捺印が不要となる。借入後は、毎月の最低送金回数といった金融機関からの追加要求もないという。
返済計画も柔軟に提案でき、「売上が不定期なので入金時に返済したい」「大きな投資で一時的に収支が悪化するので初期の返済負担を減らしたい」といった借り手の状況に応じたプランを構築するという。これにより、資金調達や返済に時間を割くことなくビジネスに集中できる。
また、エメラダ・バンクでは、財務相談の窓口としても機能する。同社からの借入以外にも、提携する金融機関から財務状況に応じた案内が送られてくるため、各金融機関に足を運ぶ必要もないという。また、他のユーザーが参加する「エメラダ・コミュニティ」を生かしたビジネスマッチングや、同社の株式投資型クラウドファンディング「エメラダ・エクイティ」と連携し、借入だけでなく増資などにも対応するという。
同サービスでは、財務状況をリアルタイムで定点観測しており、状況に応じてアラートを出す“自動CFO”とも言える機能を持つ。こうした特徴から、単なるレンディングだけでなく、より会社経営に踏み込んだ財務体質の課題を解決するとしている。
同社では、金融機関によるエメラダ・バンクの導入も想定している。城北信用金庫、第三銀行、東邦銀行、大和信用金庫などの地域金融機関のほか、金融機関向けにシステムのコンサルティング、企画・設計・開発・運用メンテナンスなどを手掛ける電通国際情報サービス(ISID)も参画。その他の金融機関とも連携の協議が進められているという。
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