Walt Disneyの研究機関Disney Researchは、空気の力で腕や上半身に圧力や振動を加え、仮想的な衝撃や触覚を体感させるジャケット「Force Jacket」を開発した。
仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、複合現実(MR)といった技術で没入感を高める方策として、何らかの手段で触覚を再現する試みが多数ある。これまでも、電気刺激で全身に触覚を与えるVRスーツ「Teslasuit」や、振動で衝撃を体感できるVRベスト「Hardlight」といったデバイスを取り上げた。ただし、振動などを利用する仕組みだと、体で感じる圧力の再現は難しいという。
これに対し、Disney Researchは、空気で膨らませるエアバッグで体に圧力を加える方法を採用。合計26個の圧力センサ付きエアバッグを上半身の前後や腕に装着するForce Jacketを作り、さまざまな感触を生じさせる制御アルゴリズムを開発した。
真空ポンプとエアコンプレッサーを制御することで、圧力のほか、衝撃や振動も感じさせられる。研究チームは、ハグされる、雨に打たれる、雪玉が胸に当たる、パンチされる、肩を叩かれる、ヘビや虫が体の上を這う、心臓の鼓動やオートバイの振動を感じる、といった感覚の再現を試みた。
さらに、Force Jacketの具体的な応用例として、雪合戦、体にまとわりつく人懐こいヘビ、筋骨隆々としたヒーローへの変身という試験的VRアプリを開発した。
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