GMOメディアが運営するプログラミング教育メディア「コエテコ byGMO」は4月23日、経営コンサルティングサービスを展開する船井総合研究所と共同で実施した、「2018年 子ども向けプログラミング教育市場調査」の結果を発表した。調査期間は3〜4月。
調査対象は、ロボット製作とプログラミングをかけ合わせて学ぶ「ロボット・プログラミング教室」または、プログラミングを学ぶことに特化した「プログラミング教室」に該当する民間運営で、月謝制の継続受講型の子ども向けプログラミング教室・スクール。なお、同調査では教室数と毎月支払われる受講料から市場規模予測を算出している。
同社では、2010年以前の子ども向けプログラミング教育市場は、一部の企業が期間限定で開催する「プログラミング教室」のイベントが中心の小規模な市場だったと説明。しかし、2013年に政府の成長戦略にプログラミング教育などのIT教育を義務教育段階から推進することが盛り込まれて以降、プログラミング教室のニーズが徐々に高まっているという。
また、2017年に2020年度からの小学校でのプログラミング教育必修化が決まると、フランチャイズや大手学習塾が相次いでプログラミング教育市場に参入。こうした市場の拡大を受け、今後のプログラミング教育は、子どもの習いごとという認識で一般化していくと推察している。
また、子ども向けプログラミング教育の変遷は、市場規模の推移にも顕著に表れており、2013年に6億6200万円だった市場規模は、その5年後の2018年には、約13倍となる推計90億7100万円に拡大すると考えられている。この急激な市場拡大の背景は、2020年からはじまる小学校でのプログラミング教育必修化の影響があるという。さらに5年後の2023年には、2013年の約34倍となる226億4000万円に上ると予測している。
プログラミング教室の数は、約5年前の2013年には750教室だったが、2018年には約6倍の4457教室に、2023年には2013年の約15倍の1万1127教室に達すると予測した。
教室の内訳をみると、2013年の時点の子ども向けプログラミング教室は、ロボット製作とプログラミングをかけあわせた「ロボット・プログラミング教室(93.3%)」と、プログラミング技術の習得に特化した「プログラミング教室(6.7%)」があり、ロボット・プログラミング教室が主流となっている。その背景には、ロボット・プログラミング教室の前身といえる、「ロボット教室」が先行して広まっていたことが挙げられ、その後にロボットをプログラミングで動かすというコンセプトのロボット・プログラミング教室が広まっていったという。
しかし、2015年以降はこの傾向に変化があらわれ、2018年ではロボット・プログラミング教室が76.8%と約8割を占めるものの、プログラミング教室が23.2%とその割合が2013年よりも拡大。2023年には、プログラミング教室の割合が約4割にのぼり、プログラミング技術の習得に特化したプログラミング教室が主流になると予想している。
2020年度からの小学校でのプログラミング教育必修化を背景に、フランチャイズや大手学習塾の参入が続き、子ども向けプログラミング教育市場は拡大を続けている。しかし、子どもにプログラミング教育を受けさせている保護者の割合は1割程度に留まっており、現時点では子どもの習いごととして一般化しているとはいえない。
コエテコでは、こうしたプログラミング教育への課題解決に向け、早期におけるプログラミング教育の重要性とその理解促進に努めるとともに、保護者や子どもだけでなく、事業者にとっても価値のある取り組みを進めるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」