Facebookのデータを調べる研究者らは、Cambridge Analyticaのような情報流出の再発を防ぐため、いくつかの重要なセキュリティ対策を実施している。
Facebookが新設した選挙研究委員会の取り組みの一環として、同社は一部の学者にFacebookのデータを調べることを許可している。これは、前例のないレベルのアクセス権限である。ソーシャルメディアが民主主義に及ぼす影響の特定に取り組んでいる研究者らに対して、Facebookが自社の機密を開示することにもなる。
しかし、この関係は重大な疑問を提起する。これらの研究者らはそれらの機密に含まれるユーザーデータをどのように保護するのだろうか。Cambridge Analyticaの事件を考えると、それは特に重大な疑問だ。
Cambridge Analyticaの例で不正使用されたデータは非常に広範囲に及んだため、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏自身のデータも流出した。しかし、Facebookの委員会に参加する研究者らが、同じことを行うのは不可能だ、とハーバード大学教授のGary King氏は述べた。King氏は、Facebookとの選挙研究の取り組みで先頭に立っている人物だ。
King氏がオンラインでの質疑応答で述べたところによると、研究者らはFacebookのデータにアクセスできるが、流出を防止するために、複数の安全基準が整備されるという。同氏は機密データの保護に対するハーバード大学の献身的な取り組みを強調した。
「すべてがシステム上で監査される。あなたがKという文字を入力すると、そのことは皆に知れ渡る。誰もあなたの友達の情報を盗むことはできない」(King氏)
King氏によると、Facebookのデータは厳重に保護されるという。一部の研究者は、カリフォルニア州メンローパークにあるFacebookの本社を物理的に訪れない限り、そのデータにアクセスすることさえできない。
インターネットアクセスのない鍵のかかった部屋の中でのみ、または、研究目的のみにプログラムされ、暗号化されたラップトップでのみ、研究者らにFacebookのデータへのアクセスを認めるというセキュリティ対策もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」