Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏は今週、米議会の公聴会で証言する予定だ。同氏はそれに先駆け、Facebookは政治広告への規制を支持するとのメッセージを議員らに向けて表明している。
Zuckerberg氏は米国時間4月6日、Facebookの投稿で「政治への干渉は、どのプラットフォームよりも大きな問題であり、われわれがHonest Ads Actを支持するのはそのためだ」と述べた。「これによって、すべてのオンライン政治広告の基準が引き上げられることになるだろう」(同氏)
「The Honest Ads Act」は、政治広告のターゲティングと費用の開示をIT企業に求める米上院の法案だ。民主党のAmy Klobuchar上院議員(ミネソタ州選出)とMark Warner上院議員(バージニア州選出)によって提出された同法案は、2016年の米大統領選挙の際にFacebookなどのオンラインプラットフォームを悪用して米国人に不和をもたらした、ロシアのトロール(荒らし)活動を受けて起草された。
Warner議員は声明で、Facebookが広告をめぐる透明性の向上を支持することを称賛した。同議員によると、ロシア政府が支援した選挙期間中のFacebookにおける広告の大半は、当時候補だったHillary Clinton氏やDonald Trump氏について具体的に言及するものではなかったという。それよりも、銃、LGBTの権利、移民といった対立を引き起こす問題を取り上げ、社会の分裂を扇動しようとするものだった。
「だからこそ、Facebookの本日の発表は非常に重要だ。私はすべてのプラットフォーム企業に対し、これに倣うよう奨励したい。同時にわれわれも、テレビやラジオの政治広告と同じ開示ルールにオンラインの政治広告が従うよう、Honest Ads Act法案の成立に取り組む」(Warner議員)
Klobuchar議員の事務所はコメントの依頼に直ちに応じなかった。
Facebookは同日、政治広告のポリシーの変更も発表した。政治広告や「イシュー」広告(全国で議論されている政治的争点を扱うメッセージ)を出すには、広告主が検証プロセスを経て、身元と所在地を明らかにすることが必要になる。まず米国で開始し、後に世界中に展開する。フォロワー数の多いページの管理者についても同様の検証を求めていく。
Facebookはさらに、ページが実施している広告すべてをユーザーが一覧できるようにするツールを開発したことを明らかにした。現在カナダでテストしており、今夏には各国に提供を拡大する予定だ。
「これらの諸策だけで、システムをだまそうと試みる人々すべてを阻止できるわけではない。しかし、2016年の選挙でロシア人たちがやったようなことは、誰であれ実行するのがはるかに困難になるだろう」(Zuckerberg氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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