Facebookの「成長最優先」を反映した幹部メモが流出、波紋広がる

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2018年04月02日 12時07分

 長年にわたり、Facebookを導いてきたのはたびたび耳にする「世界をよりオープンでつながれたものにする」という信念だった。

 Facebookの従業員は、このミッションによって目的意識や仲間意識を得ていたのだろう。同社はシリコンバレーの他の企業に比べて内部からの情報流出は比較的少なかった。

 それが今では変わりつつあるようだ。米国時間3月29日、何者かがFacebook社内のディスカッショングループの1つから衝撃的な内容のメモを流出させた。

 BuzzFeedが入手したこのメモは、Facebookの幹部であり、最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏の側近であるAndrew "Boz" Bosworth氏が書いたもので、Facebookの成長を最優先する考え方を露骨に簡潔な言葉で書いている。メモには「The Ugly(醜悪なもの)」というタイトルが付けられている。

 BuzzFeedの報道によると、このメモは2016年に書かれたもので、次のような記述があるという。「誰かをいじめにさらすことで命が失われるかもしれない。われわれのツールを使って連携を図ったテロリストの攻撃で誰かが死ぬかもしれない。(中略)醜悪な真実だが、われわれは人々を深くつなぐことに信念を持っているため、より多くの人をより頻繁につなぐことができるなら、それは何であれ『事実上』の善となる」


提供:Getty

 Bosworth氏は後に、自身はメモの内容に同意しておらず、これを書いた当時は「議論を引き起こそう」としていたとツイートし、このコメントから距離を置こうとしている。

 Facebookの元従業員でBosworth氏の部下だったAntonio Garcia Martinez氏は、メモの流出は恨みを買った結果である可能性が高いとツイートした。「これは2年前に書かれたもので、大きなグループの頻繁なやりとりの中に埋もれていたものであることは間違いない。悪意を持った誰かがそれを掘り起こし、文脈をはぎ取ってBuzzFeedに引き渡したもので、Boz(Bosworth氏)の背後から一撃食らわせた格好だ。このメモや今後の流出情報を読む時は、そのことを頭に入れておくべきだ」

 2016年米大統領選挙をめぐる批判と絶え間ない論争がもたらした最大の影響は、「社内のモラルと意思統一の崩壊」だったとMartinez氏は続けた

 Facebookは変わる必要があることを自覚している。同社は2017年、ミッションを「オープンでつながれた(世界)」から「世界をより緊密にする」ことに広げた。Zuckerberg氏はメモの報道を受けた声明の中でそのことを強調した。

 「われわれは、人々をつなぐだけでは十分でないことを認識している。当社は2017年、これを反映させるため、全体のミッションと企業としての重点を見直した」(Zuckerberg氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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