米国でのより厳格な銃規制を望む人々は、銃撃者が全米ライフル協会(NRA)を強固に支持する保守派であることを強く望んでいた。「それみろ、おまえらの仲間がやったんだ」と言いたかったのだろう。
One week ago, the NRA called on its members to "rise up" against YouTube. Today, there's a shooter at YouTube headquarters. pic.twitter.com/A23J3Ti49F
— Barney (@barney1776) 2018年4月3日
1週間前、NRAは会員に対し、YouTubeに抗議するよう呼び掛けていた。今日、YouTubeの本社に銃撃者が現れた。(@barney1776のツイート)
銃撃者についての情報は徐々に明らかになってきた。容疑者が菜食主義者でイラン系であるらしいと分かると、突然、保守主義者たちが声高になった。「それみろ! やったのはそっちの仲間だ」とでも言うように。
Not a white male/female.
— Paul (@paulhd78) 2018年4月4日
Not an NRA Member.
Not a Trump supporter.
Not a white supremacist.
Not a Christian.
An Iranian Muslim who was pissed off at YouTube.
The irony is DELICIOUS.
What say you, leftists? pic.twitter.com/wQOCcepPNb
白人の男でも女でもない。NRAのメンバーではない。トランプ支持者ではない。白人至上主義者ではない。クリスチャンではない。YouTubeに抗議するイラン系イスラム教信者だった。面白い皮肉だ。左翼さん、どう思う?(@paulhd78のツイート)
alright liberals the #YouTube shooter was one of urs why yall so quite now man Hollywood went silent wjen it wasn't a white male, we need vegen animal rights activist control
— big mike (@bigmike899) 2018年4月4日
リベラルよ、YouTubeの銃撃者は君たちの仲間だったね。なぜ白人男性ではなかったと分かったら、そんなに沈黙しているんだい? われわれは菜食主義の動物権利活動家を制御する必要がある。(@bigmike899のツイート)
こうした傾向は多くの面で有害だ。悲劇をチームスポーツのように扱っている。凶行に及んだ誰かが「どちらかの側」であることが判明したら、そのチームは負けだ。その誰かが別のチームのメンバーであれば、対するチームはそれを政治的に利用できるというわけだ。
事件をめぐる対立チームが形成されると、人々は語られたことではなく、「誰が」語ったかに集中するようになる。今後、銃規制に関する激しい議論が展開されることになるだろうが、多くの人々は例によって、主張にではなく、アイデンティティに目を向けるだろう。
想像がつくだろう。誰かがどこかで、銃撃者が凶行に及んだのは菜食主義者だったからだと主張するのも時間の問題だ。容疑者が錯乱者だったからであり、たまたま菜食主義者だったのではなく。菜食主義者だから銃を乱射するというのは変に聞こえるが、「菜食主義者」を「イラン人」や「NRA支持の白人男性」に置き換えれば、よく聞かれる表現になる。
ソーシャルメディアとって最も重要な点は、上記のようなことはすべて、虚偽ニュースが繁栄する環境を作るということだ。虚偽ニュース(あるいは、意図的な誤情報と定義した方がいいだろう)は、主にそれを信じたがる人に対して効果的だ。
2017年10月のラスベガスでの銃による大量虐殺事件発生の数時間後、59人を殺害した銃撃者は極左活動家のGeary Danleyさんだと多くの人が信じた。多数の人が、自分と対立する側が悪いのだと言って、このうわさを広めた。これにはFacebookとGoogleのアルゴリズムさえ惑わされた。だが、Danleyさんは無関係で、犯人はStephen Paddockという男だった。
筆者はオーストラリア人で、再び炎上しそうな米国の銃規制の議論に参加することは控えたい。だが、偏った考えはどこにでも存在する。悲劇の原因について、自分と意見が異なる人々を責めることに夢中にならないようにすれば、状況は改善するだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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