トヨタ自動車が、米国で行っていた自動運転車の公道試験をすべて休止すると発表した。この決定は、アリゾナ州テンペで米国時間3月18日、自動運転モードで走行していたUberの車両が死亡事故を起こしたことを受けた措置だ。休止の対象となるのは、同社が「ショーファー」モードと呼ぶ自動運転機能を搭載した試験車両だ。
トヨタ自動車の子会社であるToyota Research Instituteは、声明で次のように述べた。
「Toyota Research Instituteは、アリゾナ州テンペで3月18日日曜日に発生した悲惨な交通死亡事故について直接的な情報は得ていないが、何よりもまず被害者のご家族の方々にお悔やみを申し上げる。
この事故の原因や今回の事故が自動運転産業の将来に与える影響について、憶測することはできない。この事故が当社の試験車両を運転するドライバーに精神的な影響を与える可能性があると思われるため、当面の間、公道でのショーファーモードの試験を中止することを決定した」
今回の決定は、シリコンバレーに本拠を置くToyota Research Instituteが下したもので、対象となるのは米国の公道における自動走行試験に限られる。トヨタ自動車の自動運転試作車による試験は、日本では今後も続けられるとAutomotive Newsは報じている。米国での公道試験を再開する時期について、トヨタ自動車は明らかにしていない。
テンペでの事故は、自動運転車の開発に大きな影響を与える可能性がある。トヨタ自動車は、この事故を受けて公道試験を中止した、Uber以外では最初の企業となった。現代自動車(ヒュンダイ)の幹部であるYoon Sung-hoon氏も、自動運転車の試験について注意を呼びかけたとBloombergが報じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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