インカメラがボディから飛び出す中国製スマホ--“Androidの父”が特許取得済みだった

 アップルは、初代「iPhone」発売から10年経過した2017年に、節目となる新モデル「iPhone X」をリリースした。そのスタイルや設計はこれからのiPhoneの方向性を示しているのか、既存モデルとの相違が目立つ。特に画面上部に設けられた「ノッチ」の存在は好みが分かれ、賛否両論ある。

 スマートフォンに正面カメラを搭載しつつ、画面をできるだけ広く、ベゼルをできるだけ狭くしようとすると、どうしてもノッチのようなデザインになってしまう。これに対し、中国のVivoはノッチなしで条件を満たすスマートフォンのコンセプトモデル「Apex」を、スペインのバルセロナで開催されたモバイル見本市「Mobile World Congress」(MWC)に出展した。米CNETの報道によると、正面カメラは普段ボディ内に格納されていて、撮影時に上部からポップアップして現れるそうだ。これによって、ノッチのないデザインが可能になる。


正面カメラがボディ上部から飛び出す「Vivo Apex」(米ZDNetが掲載した米CNETの写真)

 とても斬新かつ実用的なアイデアだと感心したのだが、思わぬところに前例が存在した。“Androidの父”と称され、現在はGoogleから独立して自ら開発したスマートフォン「Essential Phone」を販売しているAndy Rubin氏が、このアイデアは特許取得済みだとツイートしたのだ。


「見たことあるよ」とツイート(出典:Andy Rubin氏のTwitterアカウント)

 その特許は、Essential Phoneを手がけるEssential Productsという企業が権利を持つ「APPARATUS AND METHOD TO MAXIMIZE THE DISPLAY AREA OF A MOBILE DEVICE」(特許番号「US 9736383 B2」)。出願日は2016年5月26日、公開日は2017年5月4日(公開特許番号「US 2017/0126979 A1」)、登録日は2017年8月15日。

 この特許の目的について、Essential Productsはまさに「画面のサイズを最大化するカメラの配置方法」と記している。つまり、Vivo Apexのデザインそのものが、すでに特許として成立していたわけだ。


まさに同じアイデア(出典:USPTO)
現在のVivo Apexはプロトタイプなので、すぐに特許侵害が問われることはないだろう。ただし、同じコンセプトのデバイスを製品化しようとすると、Essential Productsの特許が大きな障害になるかもしれない。

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