マーケティングを担うメディア「ZUU online」が金融業界に起こした変革 - (page 3)

金融、不動産業界に横たわる情報の非対称性を埋めるには

――金融業界にとってZUU onlineは新しい存在だと思いますが、ベンチャーとしての苦労はありますか。

 確かにベンチャーではありますが、金融、投資関連のコンテンツを専門性と面白さの両方を担保しながら、作り続けられる会社は今までありませんでした。また、データマーケティングも得意としており、そのあたりが受け入れられていると感じています。

 ZUU onlineはスタッフに多くの金融業界出身者がいるのも大きいですね。コンテンツは、ライターなど、記事の専門家がいれば簡単に作れると思われがちですが、それをいかにわかりやすく提供し、さらに更新性までを考えると、なかなか一朝一夕ではできません。そうした私たちならではの専門性を理解していただいていると思います。

 現在約70名のスタッフがいますが、金融業界出身者を中心に不動産会社、ウェブマーケティングなど、さまざまな業界での経験者がいます。またスタッフの4分の1はエンジニアが占めています。

――情報の非対称性からはじまり、マーケティングとコンサルティングの切り分け、ユーザーの獲得まで、不動産業界と重なる部分はやはり多いですね。

 私たちが考えるのは、情報の非対称性をどう埋めていくかであって、それは金融も不動産も同じだと思います。それを埋めるために必要なアプローチは、ユーザーに情報を提供することだったり、そのユーザーのネット上での行動履歴から得たデータを金融機関や不動産会社のマーケティング活動と連携することだったりします。そうした橋渡しをすることがZUU onlineの役割だと思っています。

 業界やオンライン、オフラインを問わずに言えることなのですが、今はインターネットの特性を含んでいるサービスが世の中に受け入れられる、成長するんですね。シェアを前提としたサービスで、フリーかつグローバルだったり。そして、なによりフェアであることです。そうしたユーザーの感覚に根付くものは常に念頭において、金融や不動産業界でビジネスを展開していきたいと思っています。

 ZUU onlineであれば、ジャンルを越えた投資の情報が提供できます。今後はもしかすると金融、不動産とジャンルを分けていること自体が、ユーザーからすると不便なのかもしれません。これからの投資は、ジャンルを分けずに一緒に考えなければいけないものになる。そんな認識でいます。

インタビュアー

赤木正幸

リマールエステート 代表取締役社長CEO

森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点JリートのIPOに参画。再生エネ業界においては、太陽光パネルメーカーCFOや三菱商事合弁の太陽光発電運用会社の代表取締役社長CEOを歴任。政治学修士、経営学修士、コロンビア大学とニューヨーク大学にて客員研究員。

 

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