米司法省が、サイバー詐欺組織に関与したとして36名の容疑者を起訴した。この組織が過去7年間で盗み出した金額は、5億3000万ドル(約580億円)を超えるとされている。
「Infraud Organization」の名で知られるこの組織は、ゆすりの共謀、電子的通信手段による詐欺行為、コンピュータ犯罪など、9件の容疑で起訴された。
この組織は、盗まれたID情報や、詐取されたクレジットカードやデビットカードをはじめとする金銭に関わる情報や個人情報を入手し、売りさばいていたという。
ラスベガスの裁判所に提出され、米国時間2月7日に公開された起訴状によると、この組織を設立し、指揮していたのはSvyatoslav Bondarenko容疑者で、2010年にダークウェブ上にフォーラムを開設したという。同容疑者はこのフォーラムを、「カード詐欺を行い、トラフィックと購入希望者をメンバーの自動販売サイトに誘導するための最適な場所」と宣伝していた。この自動販売サイトは「オンラインツールとして、盗まれたID情報、個人を特定できる情報、盗まれた金融情報や銀行情報、その他の違法品を売買できる」場所だったという。
検察当局によれば、ウクライナ国籍を持つBondarenko容疑者は、2015年にはこのサイトから姿を消したという。
「Operation Shadow Web」と呼ばれていた、この犯罪組織のサーバは、英国、オーストラリア、欧州連合(EU)、アジアの警察当局の協力により閉鎖された。
およそ1年前の時点で、この組織のフォーラムには1万900名以上のメンバーがいたと、起訴状には書かれている。
David Rybicki司法副次官補は起訴状の公開後に行われた取材で、この事件について「(司法省が)起訴した史上最大規模のサイバー詐欺集団事件の1つだ」と述べた。
司法省によれば、今回起訴された36名の容疑者は、消費者、企業、金融機関から22億ドル(約2400億円)以上を荒稼ぎしようとしたという。
今回起訴された容疑者のうち、5名は米国人だ。また、英国、オーストラリア、フランス、イタリア、コソボ、セルビアで合わせて8名が逮捕され、強制送還手続きが行われている最中だという。
残りの容疑者はまだ捕まっていないと司法省は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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