ダークウェブの3大闇市場のうち、2つが閉鎖された。
米司法省と欧州刑事警察機構(ユーロポール)は米国時間7月20日、ダークウェブ上にある2つの大規模なマーケットプレイス、「AlphaBay」と「Hansa Market」を閉鎖したと発表した。両サイトは、違法な商品をオンラインで手に入れようとする大勢の顧客にサービスを提供していた。
AlphaBayだけで、20万人以上の顧客と、違法商品を扱う4万件以上の業者がおり、ダークウェブの闇市場にとっては史上最大の閉鎖となった。当局が閉鎖した時点で、AlphaBayには違法薬物を含む35万件以上の違法商品が売りに出されていた。なお、最も悪名高い闇市場の1つである「Silk Road」は、米連邦捜査局(FBI)が4年前にサイトを閉鎖したとき、1万4000件の商品があった。Hansa Marketは、閉鎖時点でダークウェブで3番目に大きい闇市場だった。
米司法長官のJeff Sessions氏は20日の記者会見で、「今回の作戦により、米国民は、ID詐欺やマルウェアの脅威、命に関わる薬物から解放されて、より安全になったと確信している」と述べた。Sessions氏は今回のサイト閉鎖について、2017年で「最も重大な刑事事件」の1つだと語った。
FBIと米麻薬取締局(DEA)、オランダ警察、ユーロポールの合同作戦によって閉鎖される前の時点で、AlphaBayには10億ドルの売り上げがあったと見られる。
ユーロポールのRob Wainwright長官は、次のように述べている。「合同でサイトを閉鎖し、麻薬密売人など、世界中の重大な犯罪者の活動能力に大きな風穴を開けた」
訪問者がAlphaBayの閉鎖に初めて気づいたのは、サイトの創設者兼管理者であるAlexandre Cazes容疑者(「Alpha02」というハンドルネームの方がよく知られている)がタイで逮捕された現地時間7月5日のことだった。Cazes容疑者は、現地で拘留中に死亡しているのが発見され、自殺と見られている。AlphaBayを頻繁に利用していたユーザーは、AlphaBayの閉鎖が、闇市場の運営者が金を持ち逃げする「出口詐欺」ではないかと懸念していた。
Wainwright長官によると、AlphaBayの閉鎖後、ユーザーはHansa Marketに殺到し、同サイトのトラフィックは8倍に増えたという。オランダ警察は6月にHansaに潜入し、おとり捜査で数千件のユーザー情報を収集していた。
Wainwright長官は、当局がユーザー名とパスワードを通じてHansaの売り手と買い手を追跡中だと述べた。
今回の一件は、違法なオンライン取引との闘いの一章に過ぎない。FBIのAndrew McCabe長官代行は、AlphaBayが台頭してSilk Roadの10倍の規模になったように、今度は別の闇市場がAlphaBayの閉鎖でできた隙間を埋めると予測している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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