Appleは、近年のチップの脆弱性に由来するリスクを低減する取り組みとして、「Mac」の旧OSを対象とするセキュリティ修正の提供を開始した。
Appleは米国時間1月23日、「Meltdown」と呼ばれる脆弱性に対する修正をリリースした。攻撃者がこの脆弱性を利用すると、保護されたカーネルメモリの内容を読み取ることが可能になる。今回の修正は、「macOS Sierra」の最新バージョン(10.12.6)と「OS X El Capitan」の最新バージョン(10.11.6)が対象だ。
Appleは当初、macOS Sierraとそれ以前のOSであるOS X El Capitan向けのパッチは提供せず、「macOS High Sierra 10.13.2」に対する追加のセキュリティアップデートのみを1月8日にリリースしていた。
しかし、ユーザーがパッチを適用するには、事実上OS全体を更新せざるを得なくなるため、一部から批判の声が上がっていた。OSのアップデートは、セキュリティの脆弱性からシステムを保護するとりわけ重要な手段だが、古いソフトウェアが動作しなくなることを懸念してアップデートを実施しないユーザーも多い。
Meltdownと、同時期に発見されたもう1つのチップの脆弱性である「Spectre」は、「投機的実行」と呼ばれるチップの動作の悪用を可能にする。投機的実行は、近年のプロセッサがパフォーマンスを高める目的で行う動作で、次に実行する可能性がある機能を推測して準備することで、処理の高速化に貢献する。
Appleは、この日「macOS High Sierra 10.13.3」も公開した。今回のセキュリティアップデートでは17件の脆弱性が修正されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」