多くのチップに存在する2つの脆弱性「Meltdown」と「Spectre」が明らかになった問題で、Appleは米国時間1月4日、全ての「Mac」と「iOS」デバイスが影響を受けると発表した。最新版のアップデートをダウンロードすることで、 Meltdownについては対処できるという。
「Apple Watch」が影響を受けるのはSpectreの脆弱性のみだが、「Apple TV」は両脆弱性の影響を受ける。
既にリリースした「iOS 11.2」「macOS 10.13.2」「tvOS 11.2」には、Meltdownの脆弱性を狙った攻撃から守るための対策が講じられているという。さらに、数日中にブラウザの「Safari」にもSpectre対策の修正を予定している。今後、iOS、macOS、「tvOS」、「watchOS」のアップデートにより、この問題に引き続き対処していく。
Appleはサポートページで、現時点で顧客に影響する攻撃は確認されていないとしている。ハッカーがこの2つの脆弱性を悪用するためには不正なアプリを端末にダウンロードさせる必要があり、そのため「App Store」等の信頼できるソースのみからアプリをダウンロードするようユーザーに呼び掛けている。
今回の2つの脆弱性が報じられたのは2日のことだ。翌3日、IntelやARMがこの脆弱性の存在を認めた。この脆弱性、MeltdownとSpectreは最近のプロセッサのほとんどに存在し、コンピュータやスマートフォンを攻撃の危険に晒すという。Googleのセキュリティチーム「Project Zero」のメンバーを含む研究者らによると、ハッカーはこの脆弱性を利用し、端末上のメモリからプライベートなデータにアクセスできてしまう可能性がある。
MeltdownとSpectreは特定のプロセッサや端末のみに限定されるものではなく、スマートフォン、コンピュータ、さらには、サーバも影響を受けるとみられている。現在、IT業界はOS、ブラウザ、クラウドサービスなどをアップデートし、この脆弱性への対応を急いでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」