LIFULLが、中国人投資家による国内不動産の投資拡大に本格的に乗り出す。中国の不動産大手「Homelink(ホームリンク)」と業務提携を結び、日本の不動産を中国の投資家に紹介。足かせとなっていた、商習慣の違いや言葉の壁をなくし、ワンストップでの不動産紹介ビジネスを提供する。
Homelinkは、中国全土32都市に8000店の直営店を構える不動産大手。営業担当者だけでも15万人以上を数え、中古、新築住宅、賃貸、リゾート不動産、海外不動産などのマッチングサービスを幅広く提供している。2016年6月には、日本支社ホームリンク・ジャパンを開設した。
LIFULLでは国際不動産投資を担うチームが、シンガポール、香港、台湾などですでに事業を開始している。「中国はアジアの中でも発展しており、人口も多い。中国の投資が入るマーケットは値段が上がるため、LIFULLとしても踏み込みたいマーケットだった。今回Homelinkとの提携により、中国市場へのパイプが作れた」(LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 分譲マンション・不動産投資事業部 不動産投資ユニット ユニット長の岡崎健治氏)ときっかけを話す。
一方、HomelinkのPresident,International OperationsのGene Shi氏は「海外不動産に注目する中国の投資家に対し、より良い不動産情報を提供し、ワンステップで投資できる環境を整えたいという思いがあった。LIFULLは掲載物件数がナンバーワンの業界トップクラスの企業。信頼できる会社と手を組むことによって、中国のお客様に安心して、良い投資ができるようになることを期待している」と今回の提携についてコメントした。
LIFULLは、日本における不動産情報をHomelinkに提供し、Homelinkが中国の投資家向けに紹介。物件購入の意向などがあれば、LIFULLが日本のクライアントに連絡を入れ、仲介する仕組み。この際、希望によっては、言語対応のサポートや、中国人投資家が購入した物件のプロパティマネジメントなどもLIFULL側が請け負う。
日本は、中国人投資家が不動産投資したい国として、米国、豪州、カナダに続き4位にランクインしており、注目度は高いという。Gene氏は「中国から距離が近く、物件を見に来やすいことが大きな魅力。また中国の大都市部に比べ、比較的金額が安いというメリットもある」と日本市場を分析する。
また「品質がとてもいい。築古のマンションでも修繕がきちんとされており、リフォームにも手をかけている」(Gene氏)と、日本における住宅の品質を高く評価。中国では、土地に50年、70年といった使用権があるが、永続的な所有権が得られることも日本市場のポイントだという。
LIFULL 執行役員 LIFULL HOME'S事業本部 分譲マンション・不動産投資事業部部長の数野敏男氏は「グローバルに販路を広げたいクライアントは多い。現在は個別に販売しているケースが多く、ポータルを作ることで一気に量を増やせると考えている。今回の提携は、不動産情報の精査、物件数、さらに言語の問題と3つの課題を同時にクリアできる」と期待を寄せる。
Gene氏は「私たちはお客様にもっと良いサービスを提供したい。今回の提携をより親密な形にして、規模を大きくしていきたい。日本は中国の投資家にとってポテンシャルのあるマーケットなので、Homelinkとしても日本市場のウエイトを高めていく。今回は投資用のマンションからスタートするが、今後は新築や戸建てなどいろいろな不動産を提供できるようにしていきたい」と今後について話した。
LIFULLでは、2016年9月にマリモから国際不動産投資事業譲渡を受け、海外投資家と国内不動産業者のマッチングに注力。今回の提携により、Homelinkと連携し、インバウンド投資の拡大による、国内不動産の活性化促進と、グローバルな不動産投資プラットフォームの構築を加速する。
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