シャープの液晶技術をフル活用--「AQUOS R compact」と「AQUOS sense」レビュー - (page 2)

広角撮影や自分撮りが快適にできるカメラ機能

 もう1つ、AQUOS R compactの大きな特徴はカメラだ。こちらもAQUOS Rの特徴を引き継いでおり、画素数こそメインカメラが1640万画素、フロントカメラが800万画素(AQUOS Rはそれぞれ2260万画素、1630万画素)と低くなっているものの、双方ともに広角のレンズを採用していることから、従来のスマートフォンカメラよりも一層広い範囲の撮影が可能。風景の撮影や友達との自分撮りなど、スマートフォンでの撮影は広角が求められるシーンが多いだけに、広角レンズの搭載は嬉しい。


AQUOS R compactのメインカメラで撮影したところ。広角レンズの搭載で広い範囲の撮影が可能だ

 そしてもう1つ、特徴的なのがフロントカメラの「アイキャッチセルフィー」だ。これは自分撮りの際、ディスプレイに視線が集まってしまうことで目線がずれてしまうのを防ぐ機能。タイマーを設定して撮影すると、フロントカメラ部分に扇状の表示が現れて目線を集中しやすくしてくれるのだ。他にもディスプレイが光ってフラッシュ代わりになる「セルフィーフラッシュ」や、美肌調整機能など、自分撮りをより美しく撮影するための機能が豊富に備わっている。


「アイキャッチセルフィー」を使うと、タイマー機能を使う際にフロントカメラの位置に扇状の表示が現れ、目線のずれを防止できる

 一方のメインカメラには、位相差オートフォーカスとコントラストオートフォーカスの2つを組み合わせた「ハイブリッドオートフォーカス」を搭載。4Kの動画撮影に対応しているが、最も嬉しいと感じたのが、動画撮影時間の制限がなくなったことだ。従来機種では撮影時間が30分程度に制限されており、長尺の動画撮影ができないという大きな不満があった。それだけに撮影時間制限が撤廃されたことは、動画活用の幅を広げる意味でも非常に大きな変化だといえる。

 それ以外の機能で1つ、注目されるのが指紋センサの存在だ。指紋センサは本体下部に用意されており、ロック解除などだけでなくホームボタンとしても活用できるのだが、設定を変えることで、センサーを左右にスワイプして「戻る」「履歴」キーと同じ操作も可能になる。またこの設定をしておくと、ディスプレイ下部のナビゲーションバーを消して画面を広く使うことができるというのも、コンパクトモデルには嬉しい配慮だ。


指紋センサーをホームキーだけでなく、左右にスワイプして「戻る」「履歴」キーとしても使えるよう設定可能。その場合ナビゲーションバーが消えるので画面が広くなる

 性能面に目を移すと、チップセットに「Snapdragon 660」、3Gバイトのメモリと32Gバイトのストレージを備えており、もちろん防水・防塵性能やFeliCa、ワンセグなどの日本仕様もしっかり押さえている。同じハイエンドクラスのコンパクトモデル「Xperia XZ1 Compact」と比べると性能はやや低いが、ディスプレイ面ではサイズ、解像度共に優位に立っていることを考えれば、競争力は十分あるといえるだろう。

 非常に満足感の高いAQUOS R compactだが、コンパクトモデルならではの課題もいくつか見られるもの事実だ。1つは本体の厚さで、9.6mmというのは薄型化が進む最近のスマートフォンとしては厚い部類に入る。またWi-Fiのアンテナ感度が他のスマートフォンと比べ低く、電波の入りがやや悪い場所で利用するとWi-Fiが切断してしまうケースが何度かあった。


コンパクトなボディに多くの機能を凝縮しているだけに、9.6mmとやや厚みがある

 さらにもう1つ、欲を言うならば、やはり本体上部だけでなく、本体下部もディスプレイで覆い尽くすデザインを実現して欲しかった。「iPhone X」や「Galaxy Note8」など、最近投入されているスマートフォンは前面のほぼ全てをディスプレイが覆うデザインが主流となっているだけに、次のフラッグシップモデルではIGZO液晶の技術をフルに生かした、全面ディスプレイのモデルが登場することを期待したいところだ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]