そしてもう1つ、シャープが冬商戦に向けて投入したのが「AQUOS sense」である。こちらは5インチディスプレイを搭載し、チップセットにSnapdragon 430、3GBのメモリと32Gバイトのストレージを搭載したミドルクラスのスマートフォン。防水・防塵やFeliCaなどにもしっかり対応しているなど、日本メーカーならではの安心して使えるモデルに仕上がっている。
それゆえ一見すると大きな特徴がないモデルのように見えるが、実はコストパフォーマンスが非常に高いお得なモデルなのだ。NTTドコモの場合、AQUOS senseは端末を値引かない代わりに月額料金を毎月1500円割り引く「docomo with」の対象機種となっており、本体価格は税込みで3万456円と設定されている。
にもかかわらず、AQUOS senseはHD(1280×720ピクセル)ではなく、フルHD(1920×1080ピクセル)解像度のIGZO液晶ディスプレイを搭載しているほか、指紋認証センサもしっかり装備。もちろんシャープオリジナルの音声アシスタント「エモパー」もしっかり備わっているほか、AQUOS RやAQUOS R compact同様、OSの2年間アップデートもしっかり保証されているなど、いかにお得感が高いかが理解できるだろう。
AQUOS senseがそれだけお得な価格を実現している理由は、キャリア、MVNO問わず多くの事業者向けに同機種、ならびに同機種をベースとしたモデルを横展開しているからだ。実際SIMフリー版の「AQUOS sense lite SH-M05」や、ワイモバイルの「Android One S3」は同機種をベースとしたもので、同型モデルを幅広い販路で売ることにより、リーズナブルな価格を実現している訳だ。
AQUOS senseに実際に触れてみると、ボディは樹脂素材ではあるものの、しっとりとした触感で滑りにくく、高級感がありながら落としにくく、安心感も備わっている。一方でスペックシートを見る限り、AQUOS sense liteやAndroid One S3のように、米国国防総省のMIL規格に準拠した耐衝撃性能は備わっていないことから、落下には注意する必要がありそうだ。
メインカメラは1310万画素、フロントカメラは500万画素と、このクラスとしては標準的な内容だ。AQUOS Rのように広角レンズの採用や、4K動画の撮影など高い機能や性能を備える訳ではないが、カメラアプリの使い勝手は共通しており大きな不満を抱くことはない印象だ。
もっとも性能はあくまでミドルクラスなので、ハイエンドモデルを操作した後に使用すると操作が若干遅く感じることが時々あったのは事実だ。またWi-FiがIEEE802.11b/g/n、つまり2.4GHz帯にしか対応していないので、筆者宅のように2.4GHz帯が混信している環境ではWi-Fiを活用できないのが気になった。多少価格がアップしてでも、5GHz帯への対応を進めて欲しかったところだ。
とはいえ全体的に見ると、AQUOS sense比較的安価ながらも充実した機能・性能を備え、安心して利用できるモデルであることに間違いない。幅広い層の人達、特にスマートフォン初心者には最適なモデルといえるだろう。
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