トヨタ自動車とパナソニックは12月13日、車載用角形電池事業の協業について検討を開始することで合意したと発表した。
今回の合意は、地球温暖化や大気汚染、資源・エネルギー問題という社会問題の解決に貢献し、電動車の中核となる車載用電池のさらなる進化を目指すものとしている。
トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏は、「提携に込めた思いについて語りたい」とし、2013年に静岡県にある「豊田佐吉記念館」でパナソニック 代表取締役社長の津賀一宏氏を迎えた日のことを切り出した。
「(津賀氏が)2012年に代表取締役社長に就任した1年後、トヨタの原点ともいえる豊田佐吉記念館に訪問いただいた。いろいろな話をし、社長の表情、姿勢、言葉の端々から創業への思い、国への思い、会社を継承するものとしての覚悟がひしひしと伝わってきた。そのときから4年の月日が流れ、協業を発表する運びとなった。私には、佐吉記念館で出会ったときから、こうなることは必然だったのではないかという気がしてならない」(豊田氏)
また、「自動車業界は100年に一度といわれる大変革の時代に直面している」とし、「これまでの延長線上に未来はない。パナソニックには車載用電池で業界ナンバーワンの開発力がある。そしてトヨタにはプラグインハイブリッドの開発で培った電動化技術とクルマへの愛、クルマを絶対にコモディティ化しないという決意がある。両社には松下幸之助、豊田佐吉、豊田喜一郎という日本の発展に人生を捧げた偉大なる発明家、起業家から継承してきたベンチャー精神がある。お伝えしたかったのは、いまよりももっと豊かで楽しいモビリティ社会を実現するための提携であり、日本で生まれ育った両社が電動化の時代をリードするという思いを形にしたもの」と説明した。
両社は1953年から65年に渡る長年の取引がある。一方の津賀氏も、「今回、トヨタから声をかけてもらい、トヨタの高い志に大いに共感し、協業の検討を開始した。トヨタは大変真面目で、お世辞抜きに見習うべきところが多い会社。期待にしっかりと応え、両社でスピード感をもって検討を進めたい。パナソニックは、創業100周年迎える。しかしクルマの電動化に伴う自動車産業のように、次の100年はこれまでの100年とは比べ物にならないほど変化の激しい時代になるだろう。現状を守ろうとするだけでは生き残れない。培ってきたこれまでの強みを生かし、チャレンジャーとしてのマインドをもって電動車の普及に少しでも貢献したい」と応えた。
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