トヨタとパナソニック、車載用角形電池で協業へ--2030年には550万台が電動車両に - (page 2)

2030年には550万台が電動車両に

 豊田氏は協業について、「今後の電動化で鍵を握るのは電池だと思っている。資源のない日本が、大変革の時代を切り開くには、日本において競争力のある電池を開発し、安定供給できる体制を確立することが必要。電池の開発や供給に関しては多くの課題があり、既存の会社の単独の努力では解決できない問題を一緒に取り組む。協業の対象は、高容量の車載型角形電池と、全固体電池を中心とした次世代電池。両社の強みを活かせる」と説明する。

「われわれは、ナンバーワンの電池を作らないと生き残っていけない」と津賀氏
「われわれは、ナンバーワンの電池を作らないと生き残っていけない」と津賀氏

 また、「いま自動車業界が直面しているのは、地球温暖化や資源、エネルギーの問題解決に向けた取り組み。守らなければいけないルールは2つある。ZEV規制(ゼブ規制)と燃費規制。トヨタは、ZEV規制に関してEV(電気自動車)とFCV(燃料電池自動車)で対応し、燃費規制に関してはハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHV)で対応していこうと思っている。トヨタは、電動車のいわばフルラインメーカー。2030年頃には全販売台数の約50%が電動車両になるだろう。これは電動車両、EV、FCV、ハイブリッド、PHVを総称しての台数。内訳はEV、FCVが約100万台、ハイブリッドとPHVが450万台。合計550万台を発売するイメージと考えている。これだけの台数を支えていくためにも、車載用電池の性能アップと安定供給が必要不可欠になる。電池のリユース、リサイクルも含めたトータルのしくみを構築しなければ、地球にやさしいとは言えない」と続けた。

 これに対して津賀氏は、「現在の147万台から、2030年には550万台へと3倍以上になる。トヨタが相当なチャレンジを覚悟しているのがひしひしと伝わってくる。われわれがそのチャレンジにひるむことはない」と応えた。

「ナンバーワンの電池を作らないと生き残っていけない」

 パナソニックは、電気自動車メーカーのテスラとも協業関係にあり、車載電池を供給している。津賀氏は、「われわれは、ナンバーワンの電池を作らないと生き残っていけない。ナンバーワンの電池とは何か。時間軸によって答えは変わる。私の理解では、いまEVという視点でナンバーワンの電池といえば、われわれの『18650』や『2170』(セル)と呼ばれる円筒形のもの。それをテスラに使ってもらっている。しかし、将来を見たときにどこに伸びしろがあるのか。またカーメーカーが電動化を進める上で重要な役割、欲しい電池が何かは別の答えになる。それを角形電池という形で言い表している。これは新しいチャレンジ。角形の中に、高容量のセルを安全に入れていく。そして車の設計がしやすいような形にしていく。これはまさにチャレンジ。これを単独ではできない。したがって今回のトヨタとの提携は有難いことと思っており、一緒にチャレンジしたい」とコメントした。なお、車載向け電池には、円筒型のもの、角形、ラミネート型があり、それぞれ特長が異なる。

 今回の取り組みは業界ナンバーワンの車載用角形電池の実現を目指すもので、トヨタのみならず、広く自動車メーカーの電動車の普及と貢献に向け、具体的な協業内容を検討していくとしている。

両社は都内で緊急会見を開いた
両社は都内で緊急会見を開いた

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