トラブル続きのシリコンバレー巨大企業--社会との「蜜月」は終わりか - (page 2)

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年12月11日 07時30分

 Twitterはいじめの温床、そして、白人至上主義者の安息の地になっている。同社のCEOを務めるJack Dorsey氏は、何年も前から場当たり的に対応を行っているが、同ソーシャルネットワークの嫌がらせに関するポリシーを徹底的に見直して、もう少し平和な環境を作り出そうとしている。Dorsey氏は11月、著名人のTwitterアカウントに青色のバッジを発行する認証プログラムを一時的に停止した。白人至上主義者のアカウントに認証バッジを付与していたことで、批判を受けたことが理由の1つだった。

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TwitterのCEO、Jack Dorsey氏
提供:Getty Images

 Facebookのライブ動画ストリーミングサービス「Facebook Live」は、殺人や強姦、暴力を検閲なしにインターネット上で配信してしまった。その一方で、Facebookの創設者であるMark Zuckerberg氏は、ハリケーンの被害を受けたプエルトリコをめぐる仮想現実(VR)のツアーを行い、すぐさま批判を浴びた

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被害を受けたプエルトリコのVR動画にZuckerberg氏はアバターとして登場し、批判を受けた。
提供:Facebook

 つまずきは他にもある。

 Hoofnagle氏は、「GoogleとFacebookは、自社の製品を売り込む方法の1つとして、感情に訴えかけてきた」と話す。同氏はその例として、各社の高尚な理念を挙げた。例えば、Zuckerberg氏の、まるで「救世主のような」、世界をつなぐという宣言だ。何らかの失敗があったとき、彼らが厳しく非難されるのは、そうした感情に訴える宣伝文句に頼りすぎているからだ。「単に『Facebookが好きじゃない』と言われる代わりに、『Facebookが大嫌い』と言われてしまう」(同氏)

これからの立ち位置

 2017年のほとんどの期間、3社は守勢を強いられた。Zuckerberg氏は2016年、偽のニュースが選挙結果に影響を及ぼしたとする見解は「非常にばかげた考え方」だとする悪名高い発言をしたが、2017年の初頭には、世界におけるFacebookの新しい役割について、6000ワード弱の宣言文を投稿した。それに加えて、全米ツアーを行った。同氏によると、このツアーの目的は、自身の属するサンフランシスコのバブルの外側で、米国人がどのように暮らしているのかを知ることだったという。そのツアーの様子は逐一写真撮影され、記録された。その旅行用のロゴまで作られた。

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ミシガン州のFordの自動車工場を訪ねたZuckerberg氏。
提供:Facebook

 Googleは米国の鉄鋼の町や中部地域とも仲良くしようと試みてきた。CEOのSundar Pichai氏は10月、ペンシルべニア州ピッツバーグを訪れ、「Grow with Google」と呼ばれる新しいプログラムを発表した。このプログラムの狙いは、今後の「仕事の性質の変化」に備えて、人々をトレーニングすることだ。そうした変化を主導しているのは、Googleを含むテクノロジ業界の大手企業である。彼らは自社のソフトウェアや自動化技術によって、そうした変化を引き起こそうとしている。そのプログラムの一環として、Googleは、同社の職員が全米を回って人々にGoogleの雇用ツールの使い方を教えるセッションも主催する。このツアーは11月、インディアナ州インディアナポリスで開始された。Googleは職業に関連する世界中のさまざまなイニシアチブに計10億ドル(約1100億円)を投入すると約束した。

 シリコンバレーの企業が成長して、世界最強の企業群になるにつれて、彼らの行動が意図せぬ結果を招くようになった。シリコンバレーでは、変革のための「破壊」という概念が賞賛される。その言葉は、起業家から見れば、より速く、より賢く、より効率的にすることを目指しているが、業界を作り直す無慈悲で闘争的な推進力のことも意味する。

  Technalysis ResearchのアナリストであるBob O'Donnell氏は、次のように語っている。「破壊の概念は、興味深いものに思える。だが、人々の日々の生活に関して言えば、それは必ずしも彼らが求めているものではない」。それが仕事を失うことや誤報を読まされることを意味するのであれば、なおさらだ。

 そして、これはGoogleとTwitter、Facebookが今後、重く受け止めなければならないことである。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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